痔ろうが辛い男、女性用ナプキンと出会う「漏れても大丈夫」の安心感がすごい
少しの触診をして、先生が、
「これは痔ではないですね。肛門周囲膿瘍です」
と告げられた。
肛門周囲膿瘍とは、下痢や便秘が引き金となって肛門の周囲に雑菌が入り、化膿することで起こる病気らしい。その名の通り、腫れているのは肛門本体ではなく、肛門の周辺のようだ。ちなみに、病名を聞いている間もポーズはそのままだ。
この病気は内服薬やボラギノールのような座薬は一切効果がなく、患部を切除して膿を出すことでしか改善しないとのこと。
……ということは、手術をするしかないのか。何日後にやるんだろうか。
「じゃあ切っていきますね。死ぬほど痛いですよ」
えっ、いきなり!? ちょっと待って、ここ診察室でしょ!? カーテン一枚隔てて隣は待合室なんですけど! しかも「死ぬほど痛い」とかサラっと言ってるし。
いきなりケツを切られると言われて、正気でいられるはずもない。早口でまくしたてる。
「切ってどうするんですか、痛いってどのくらいですか、今日帰れるんですか」
先生は診察室に入ってきたときの微笑を崩さず答えた。
「切って膿を出します。痛いところに麻酔の針を入れるんだから、死ぬほど痛いですよ。はい、いきますね……」
「ああああああああああああああ!!!!!!!!!」
心の準備をする間もなく針が刺され、激痛が走る。
待合室にママさんらしき女性がいることも忘れ絶叫する。小さな病院に、アラサーの本気の絶叫がこだました。
このあたりから正直、記憶が定かではない。麻酔はあまり効いていなかったような気がする。自分の皮膚が切られる感覚を味わってから、どれくらいの時間が経ったのかも、ほとんど覚えていない。
終わったころには、半袖短パンだというのに全身が汗だくになっていた。
「はい、終わりました」
そう言われたころ、ようやく麻酔が効いてきたのか痛みを感じなくなっていたが、切られたということは尻に穴が開いているはず。それなのに感覚がないという不気味さがあった。
「いま、お尻を切って膿を出しましたが、膿を出しきるまでは切った穴に包帯を詰めて、穴が塞がらないようにしています。血が出てくるので、ガーゼをお尻に当てて、血が溜まったら取り替えてください」
想像するだけでも恐ろしいことが、自分の尻で起こっている。しばらくは膿を出すために、お尻から血を垂れ流し続けないといけないということだ。
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ