競輪で購入できる賭式のなかで、比較的マイナーな存在といえる「ワイド車券」。1～3着内の2車を予想するもので、一番当たる確率が高い車券であるが、基本的にはあまり多く売れるものではない。この「ワイド車券」の攻略術はあるのだろうか。 　前回の記事では「ワイド車券の攻略法」として、「本命のワイドが元返しになりやすいレースに共通している3つの特徴」などを紹介した。今回は、約2万5000レースを分析した結果をもとに、より具体的な「ワイド車券攻略術」をお届けする。 　競輪はパチンコやパチスロのような期待値が計算できる機械と違って、人間が走ることで成り立っているギャンブルだ。選手のレース当日の感情、体調などもレースに影響を及ぼしているのではないだろうか。 　前回の記事で、民間投票サイトにおけるポイント現金化など、鉄板レースのワイド車券は元返しでもメリットがあることを紹介したが、「ギャンブルに絶対はない」という言葉もある。はたして、ワイドの大口投票はポイントの現金化に適しているのだろうか……？　2022年に行われた2万4,823レースを抽出し、調べてみた。 　2022年、ワイド1番人気が元返しオッズとなったレースは2777レースあった（あくまで1番人気が1.0倍のオッズになっただけで、的中しているとは限らない点に注意）。 　ワイドは投票数が元々少ない掛式のため、多くの人が「このレースは鉄板だ」と考えている証として、1万票以上の投票があったレースをさらに抽出すると、1518レースが該当した。そのうち、的中したのは1302レース。つまり的中率・回収率は約86%となる。 　さらにワイドへの総投票数を細かく区切って調べてみた結果は以下の通り。 1万票以上5万票未満のレース……1110レース/的中数及び的中率は928レース、約84%。 5万票以上8万票未満のレース……215レース。的中数及び的中率は192レース、約89%。 8万票以上10万票未満のレース……56レース。的中数及び的中率は52レース、約93%。 10万票以上のレース……137レース。的中数及び的中率130レース、約95%。 　以上の結果から、10万票（1000万円）以上ワイドが売れているレースの本命を購入すれば、約95%の確率で現金化が成功するということがわかる。 　競輪の還元率が75％であることを考えると、95%の回収率が見込めるこの買い方は一定の効果があると思われる。なお、10万票以上売れるレースが1年で130レースあるということは、単純計算で3日に1回程度はこうしたレースに巡り合えるということでもある。