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1曲で9人を演じ分ける。黒木渚初の楽曲提供で、こゑだが見せた脅威の歌唱力と表現への貪欲さ

8人のチアリーディング部の女性の設定をつくり、21秒に凝縮

なんと「V.I.P.」コール・アンド・レスポンスでは8人の女性を演じ分けているというこゑだ

渚:それに、この歌詞の主人公だけじゃなくて、こゑだちゃんはコール・アンド・レスポンスのところで8人の女のコを演じ分けているんですよ。 ――え? どういうことですか? こゑだ:このコールレスポンスは歌入れする前、バンドサウンドを録るところから、「ここはチアリーダーっぽい」みたいな話になっていて。で、チアリーディングは大勢でやるから、8人の設定をつくって。まずはオーソドックスなチアリーダー、普通の人の設定で歌入れして、次に「すごい静かな女のコ」の設定をつくったんですよね。「普段は図書館で眼鏡をかけて本を読んでて、しゃべりかけると『あっ』って言って会話が続かないようなすごい静かな人。だけど、ちょっと自分を変えたくて、チアリーディングに入って、チアリーディングをしているときはすごい声を出す」っていう。でも、やっぱり根がおとなしいコだから、本当に声を出すコよりは出さないみたいな。 ――すごい設定! こゑだ:で、一番こだわったコがいて、本人は周りのコからすごい好かれていると思っているんですよ。ちょっと浮いてるコで「私はみんなのために、みんなは私のために」みたいな。でも、みんなは正直、そのコのことをすごくうっとうしく思っていて、でも、そのコは気付いていない。もしくは、ちょっと気付いているけど、でも、気付いていないフリをしてる。 渚:あー、いるわー(笑)。 こゑだ:それで、ちょっと声が大きくなっちゃうんですよ。チアリーディングを自分はまとめているつもりでいて、実はすごくうっとおしがられている。だから、1人だけ、めっちゃ張り切ってて、だけど、ちょっとズレてるんですよ(笑)。 ――ごめんなさい、確認ですが、それは8人全部、こゑださんが8人役をやっているということですね? ここの21秒ほどのコール・アンド・レスポンスの中にそんな物語が……、どっかの高校のチア部がいるんスね(笑)。 渚:重ねてるから。 ――つまり、主人公の女のコに加えて8人のチア部、合計9人の女性を演じ分けた一曲だ、と。いや、これははやくコロナが納まって、ライブで「V.I.P.」を聴きたいところですが、ちなみに黒木さんは、「V.I.P.」は歌える? 渚:ムズいっス(笑)。こゑだちゃんみたいに上手に歌えないもん。 ――そういうことを言うと、喉の調子のこともあり、初の楽曲提供で「もしかしたら黒木渚は裏方に回るのか」という疑念もありますが。 渚:いえいえ! 自分の曲もつくっていますし、ライブも計画を練っていますよ。状況が状況でなかなか難しいところですが、小説や楽曲提供だけに専念するつもりはないのでご安心ください。あと、こゑだちゃんには「V.I.P.」以外にも2、3曲つくったりしてて、ライブとかでそういうのを実現していきたいというか。 こゑだ:ねー、やりたいですね。 渚:リリースとか関係なく。なんか「こゑだ」って名前ってめっちゃいいと思ってて。 こゑだ:あー、うれしい! 渚:こゑだちゃんへの曲を書き殴っているときに、名前を書いていて気付いたんですけど、「こゑだちゃんのすべてって何? こゑだちゃんの歌って何?」って聞かれたら「声だ!」ってもう、名前に内包しちゃっているんですよ。それってなんかすごくて、それを言っていいのはこゑだちゃんだけだなって。 こゑだ:うれしい。「声だ!」(手を振り上げながら)  共に立ち止まった経験を持つ2人だからこそ、このコロナの状況下でも制作が止まることはなかった。この新たなコラボレーションが生み出す新たな世界が広がっていくことを祈る。 取材・文/織田曜一郎
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