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坂本龍一、追悼イベントで『六ヶ所』問題を語る アジカン後藤・岩井俊二も

岩井俊二,後藤正文,坂本龍一

(左から)岩井俊二、後藤正文、坂本龍一

 3月11日に日比谷公園で行われた東日本大震災追悼イベント「Peace On Earth」で、音楽プロデューサー・坂本龍一、アジアン・カンフー・ジェネレーション・後藤正文、映画監督・岩井俊二がトークイベントに登場。震災から1年経ち、それぞれの想いを語った。

 坂本と後藤は、「震災直後は製作活動をすべて止めて、しばらく音楽をやる気持ちになれなかった」と口を揃えた。また、坂本はメディアなどの「音楽の力で震災復興」という表現に「あれ嫌いなんだよね。こっちが一方的に元気を与えてやるぞ、なんていう態度で音楽をやる奴は、僕はいないような気がするんだけど」と苦言を呈す。

 その言葉を受け、実際に被災地での復興イベントに多数参加していた後藤も「そういう風な言い方はおこがましいと思います。でも、『音楽は無力だ』って言われるとカチンとくるし、なんて表現していいのか難しいですよね」と意見を述べた。また仙台出身の岩井は、「両親や友達にも一週間ぐらい連絡がつながらなくて。肉親探しをツイッタ―を通じて呼びかけたり、大変でした」と震災当時を振り返った。

この日、トークの軸になったのは「3.11が起きたことによって、災害以前からあった問題がより明るみに出た」と、3人が同意見を持つ六ケ所再処理工場問題だった。

 坂本が「仮に六ケ所村の処理工場が稼働したとしても、日本にある54基の原発から処理しきれない使用済み燃料が出てくる。だから、溜まっていく一方なんですよ。最終的には、地中深くに埋めようということになっているけども、プルトニウム(Pu239)の半減期が2万4000年ですから」と切り出すと、後藤が「そんな使用済み燃料棒が1万4000トンもある。がれきの埋め立てですら紛糾してるのに、そんな高濃度の放射能廃棄物を埋める場所があるのか疑問。原発はお湯を沸かしてタービンを回して電気を作ってるわけで。それ使って家庭でもう1回お湯を沸かすっていうことがどれだけ無駄かっていうことを真剣に考えて欲しい」と観客に訴えた。

 また、岩井は震災ドキュメンタリー映画『friends after 3.11』を製作した動機について「3.11直後の混沌としているなかでも、正しい情報が知りたいという想い。それから、真実を追求して情報提供をしてくれた人たちへ感謝の気持ちが大きかった」と語る。また、今回非難の対象になっている政治家や東電に対しても「今までお互いに愛情が足りない関係を築いていた」と言及し、「彼らは(一般市民から)一方的に冷たい言い方をされるわけですけど、そもそも冷え切った関係のなか、今まで来てしまったことも考え直さないといけない」と今後への課題を提示していた。 <取材・文/吉岡俊 撮影/林健太>




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