平日はIT企業の部長、週末はコスプレイヤー。二足のわらじ生活がスゴい
コロナ禍で花火大会、甲子園、音楽フェスなど、さまざまな夏イベントが中止になったが、今年はオタクの祭典とも呼ばれるコミケ(コミックマーケット)もなかった。
もともと東京五輪との兼ね合いで5月開催の予定だったが、日刊SPA!で毎年コスプレイヤー取材をさせてもらっていた筆者も、盆と暮れの歳時行事になっていた節があり、この夏はどうもメリハリに欠けていた気がする。そんな筆者がコミケでいつも気になっていたのが「現役OLコスプレイヤー」たちの存在である。当然コスプレイヤーの多くは学生のアルバイトなども含めて、何かしら仕事に就いているはずだ。
ねむ部長は私立文系大学を卒業後、アプリやウェブサイトなどの受託開発を行うITベンチャー企業のバックオフィス部門に就職。システムエンジニアたちが多数所属する会社で、24歳にして2人の部下を持つ部長として働いている。
「入社した直後は労務や人事などの仕事も体験しましたが、入社3か月くらいで社長に『数字強いから経理やって』と言われてからは経理一筋です。普通に生きていければいいくらいの気持ちで就職したんですけど、仕事自体は真面目にやるほうで、おそらく、そういうキチキチしたところを評価してもらえたのかなと。ベンチャーだから私の年齢でも部長になれるんですが、いまは銀行さんとの融資のやりとりなどを担当しています」
ごく普通の大学生活を送り、事務職の仕事に就いたねむ部長だが、入社後に趣味で始めたコスプレ活動が転機となって、現在は芸能事務所に所属。この1年ほどはグラビアやタレント活動にも精力的に取り組む。
「もともとコスプレにはずっと興味ありましたが実際に始めたのは勢いです。社会人1年目って怒られることも多いし、特にストレスを感じるじゃないですか。当時は会社でやりたいこともなかったんですが、かと言って結婚とかそういう感じでもないなと思っていて。
少し人生を変えたかったというか、『このままでいいのか』という気持ちはありました。さすがにこの年齢で部長に抜擢されるとか、コスプレがここまで発展するとは思っていなかったですけど(笑)。最初にコスプレをしたときは、普段の地味なOLの自分とは全く違う人生を生きている感覚になれて、すごく楽しかったですね」
IT企業で部長として働きながら、コスプレイヤー・タレントとしても人気上昇中のねむ部長(24歳)。副業など働き方の多様化も進む昨今、今回は彼女のコスプレやタレントの仕事と会社員生活を両立させるパラレルな活動ぶりをうかがった。
社会人1年目のストレスが導いたコスプレ道
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1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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