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平日はIT企業の部長、週末はコスプレイヤー。二足のわらじ生活がスゴい

会社では秘密のコスプレ活動

ねむ部長

コスプレしている時の方が素に近く、会社では「むしろOLのコスプレかもしれません(笑)」とねむ部長

 会社では完全にキャラを使い分けているらしく、コスプレ活動を始めた当初から現役OLを公言してきた一方、会社の同僚などにコスプレイヤーの活動などについて明かしたことはないという。 「むしろ会社用のキャラをすごくつくっていて、趣味でやってきたコスプレやタレントのお仕事などをしているときのほうが素に近いです。会社では厳しいくらい真面目で。『うちの経理、全然経費落としてくれないな……』とか、たぶん思われていますね。職場ではスッピンでマスクしてメガネもかけていますし、声ももっと低くて少し早口です」  時には会社で意識せずコスプレイヤー・タレント人格のトーンでしゃべってしまい、相手が戸惑うこともあるそうだが、基本的には外見を変えればスイッチが入るんだとか。 「平日にコスプレすることはないですけど、土日もたまに仕事があるので、昼間に会社の仕事をした後、みんなでスタジオを借りてコスプレすることはよくありますね。ベンチャーなのでスポーツ大会とかBBQとか社内イベントも多くて。午前中だけスポーツ大会に少し顔を出して、すぐコスプレイベントに行くみたいな感じです」  普段はコスプレイヤーであることを職場で隠しているねむ部長。まるでアメコミ『スーパーマン』のような活躍ぶり。しかし、「普段の職場に近い雰囲気の衣装で」とオファーした手前、今更すぎるが今回の記事で会社にバレてしまわないか心配になる。 「もしも同僚から言われても『本当だ! 似てますね~!』で通そうかなと。まあ、バレても大丈夫です。わざわざ自分からアピールするようなことでもないし、言うタイミングがないから言っていないだけというのもありますから。知られたら驚くと思いますが、社風的にも『おもしろいじゃん』と言ってくれると思います」

昼休みにはライブ配信で息抜き

ねむ部長

(提供写真)

 バイタリティ溢れるねむ部長は仕事でも責任感と集中力を発揮しているようだ。聞けば、会社は上場を目指して社員の人数なども拡大させており、内部統制の整備などねむ部長が取り組むべき仕事は多いらしい。 「いまはミス東スポのオーディションに参加していて、ライブ配信をしているのですが、それが毎日楽しくて。昼休みにも配信していますね。もともと昼休み返上で仕事していたので、むしろ息抜きになっています。定時後もすぐ配信するので業務スピードは本当に速くなりました。社長や後輩からも『えっ、どうしたの?』『めちゃ早いですね』って引かれています(笑)。でも自分が部下の立場なら、多分そこまで頑張れないです」  自身が責任者であるだけに会社の仕事も手を抜けないとのことだが、会社での仕事がねむ部長のタレント活動でのひとつの武器、差別化になっている自覚も少なからずあるという。 「自分が純粋に好きなことをお仕事にできるのは、すごく楽しいんですけど、会社の居心地も良く、部長としての仕事も新しいことばかりで。それはそれで楽しんでいます。もっと出世したい!みたいな気持ちも若干あって。どこまで両立できるかは自分次第ですが、なるべく二刀流で継続していきたいです。  仕事でうまくいかないときも、SNSなどで応援してくれる人がいると思うだけで頑張れます。わりと根詰めるタイプなので、そういう場があると救われるというか。本当にあの時コスプレやってよかったなと思います」

昇進と共に変わる芸名、将来はねむ“役員”!?

ねむ部長 会社員兼コスプレイヤーの肩書きがきっかけとなり、自社の発注につながるようなケースも可能性としてはなくはなさそうだが。 「確かにカメラマンさんから『俺もIT系だから仕事を発注したい』と言われることはたまにありますね。実際の仕事につながったことはないですし、本当のところはわからないですけど、コミケとかで会社役員の方に名刺を頂いたこともありました。仕事でも私が間に入って大きい案件をとったら、本当に役員クラスになれるかもしれないですね(笑)」  サラリーマン漫画『島耕作』シリーズよろしく、6月の部長職への昇進に伴って芸名を“ねむ平社員”から昇格させているねむ部長。その出世ストーリーはまだ始まったばかりなのかもしれない。 <取材・文/伊藤綾、撮影/藤井厚年>
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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