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プロ奢ラレヤー×精神科医Sidow「気に食わない人を叩いても、幸福感は得られない」

フォロワーの多さは幸福感に直結しない

「幸福度は数字の多さで測ると、必ず頭打ちになるんです」(Sidow氏)

プロ奢 自分と同じ意見がいたら安心するんだろうし、孤独は良くないっていうもんなあ。精神科的に孤独に効くのはどういう方法なんですか? sidow ひとつ言えるのは「孤独の解消=たくさんの人と一緒にいること」ではないということです。有名な話で、年収は700万円以上で幸福度が頭打ちするっていう報告があるんですが、たぶん人間も同じようなことが言えると思います。一定以上の人数と関わると幸福度にはもう関係しない。少数でも信じられるコミュニティを持ったほうがいいという説もあります。 プロ奢 確かにフォロワー多いと羨ましがられるけど、別になにも変わらないですからね。人がいっぱいいるから幸せー!なんて、ない。幸せそうに見えるのかもしれないけど。 sidow フォロワーの数と本人の幸福度は関係ないですよね。ネット上ではフォロワー獲得が目的化してる人が多いけど、フォロワーってきっかけ、手段であって目的じゃない。実際にフォロワーいても9割アンチだったら意味ないし。だから僕はリツイート2000以上超えたくないなって思ってます(笑)。1000以上から怪しい雰囲気になってきて、2000以上からは本当に読んでんのかなみたいなコメントが一気に増えるんですよ。 プロ奢 あ~、内容がメンタル系だから、なおさら大変そう……。話変わりますけど、僕の周りもけっこうメンタル系の先生にはお世話になってて、なかには誰でも行けばすぐ「うつ病ですね」って診断してお薬くれる病院があるとかないとか……。あれって本当なんすか?

精神科は、患者の話をゆっくり聞いていたら儲からない!?

sidow まあ、ないとは言い切れないですね。精神科の病院って経営のこと考えると、いかに効率的にまわすかなんですよ。精神科ってお金がたくさん取れるような処置がないんです。たとえば内科だったら内視鏡したりレントゲン取ったり、経営的に単価のいいメニューがあるんですけど。 プロ奢 話聞くか薬出すか、ですもんね。 sidow 極端に言えば精神科って話を聞けば聞くほど経営的に損をするんですよ。1日に話を聞ける人数っていうのは限られてますから。 プロ奢 単価の高い料理がないから、コーヒーをガンガンだして回転率をあげないといけないのか。 sidow 経営的な面を考えるとそうなってもおかしくない。だから患者の話もろくに聞かずに診断だけして薬を出して……という悪徳精神科医と呼ばれる人々がいるのも構造的には理解ができる。悪徳医者にとって患者の話を聞く必要はありませんから。もちろんそんな医者と一緒にしてほしくはないですけど。 プロ奢 そういう医者に当たっちゃうと、ますますヘイトが溜まりそう。 sidow 同じ精神科医という立場としてはムカつきますよ、僕も。 プロ奢 ヤフコメで悪口書いて不毛なストレス発散するか、ちゃんと話を聞いてくれるいい精神科医を見つけるか。ストレスの対処法って難しいな。 sidow だからプロ奢さんの本に書いてある「負けないこと、投げ出さないこと、逃げ出さないことは正しくない」っていうのは、まさにその通りだなと思いました。みんなダメになりそうなときに、とにかく無理にでも立ち向かおうとするからストレスフルなんですよね。 プロ奢 僕の本は「嫌なことはとっとと投げ出せ」って本なんで(笑)。それでも人生って意外とやっていけるのに、みんな真面目ですよね。 sidow プロ奢さんのような人が増えたら、日本人のストレスもだいぶなくなりそうですね。 <取材・文/片岡あけの 安(本誌編集部)> 【メンタルドクターSidow】 精神科専門医×YouTuber。医学博士。現在は都内の精神科病院に常勤医として勤務。精神科医として働くなかで、世間の精神疾患に対する偏見や誤解の解消、精神科への早期受診の必要性を実感し、SNSで精神科の情報発信を始める。馴染みやすさと分かりやすさを重視した精神科に関する発信が精神疾患を持つ方に限らず話題となり、YouTubeチャンネルの登録者は5万人、ツイッターのフォロワーは4万5千人を超。 著書「メンタルドクターSidow が教える人間関係も仕事も『しんどいこと』をリセットする方法」(大和書房)。
本名、中島太一。23歳。「他人のカネで生きていく」をモットーにツイッターを介して出会ったさまざまな人に「奢られる」という活動をし、現在フォロワー約9.8万人。奢ってくれた人々との邂逅を綴った「奢ログ」を含む日々の考察を有料note「プロ奢ラレヤーのツイッターでは言えない話。」として配信中。著書『嫌なこと、全部やめても生きられる』(扶桑社刊)、『プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略』(祥伝社)。
嫌なこと、全部やめても生きられる

「逃げたら負け」と思っている人々へ。"目からウロコの意識低すぎ実践哲学"
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