レンタルなんもしない人が「生みの親」と公言するプロ奢ラレヤー(右)。実は今回が初の対談!
レンタルなんもしない人が語る、「プロ奢ラレヤーは超人」の理由
奢られることを生業とし、これまで2000人以上に奢られ続けている「プロ奢ラレヤー」(以下、プロ奢)。そんなプロ奢氏に影響を受け、「なにもしない」サービスを立ち上げた「レンタルなんもしない人」のドラマが、4/8からテレビ東京系でスタートした。
そのレンタルなんもしない人が、「生みの親」プロ奢ラレヤーと初対談。「SNSがもたらした人生の岐路」について語ってもらった。
プロ奢ラレヤー(以下、プロ奢) 久しぶりですね~、初めて会ったのは2年前ぐらい? 一緒にカレー食ったのをすげー覚えてる。
レンタルなんもしない人(以下、レンタル) 僕が「レンタルなんもしない人」を始めたばかりの頃でしたね。サービスを始めたのが一昨年の6月で、7月の半ばぐらいにはプロ奢さんに連絡をもらいました。
プロ奢 「レンタルなんもしない人」も、始めてからもう2年経つのか。遂にジャニーズ主演でドラマ化ですもんね。だってマッスー(増田貴久)ですよ! どうですか、楽しいっすか?
レンタル 変わらず楽しいですね。相変わらずSNSでは知らない人に家に金入れろとか、いろいろ言われますけどね。入れてるのに……。
プロ奢 レンタルさんがTwitterで炎上するたびに俺の株が上がるんですよ。プロ奢は最初からクズだから別にいいよねって(笑)。で、レンタルさんがいろいろなところで僕のことを話してくれるから、勝手に名が売れていくっていう。
レンタル 僕が「レンタルなんもしない人」を始めたのはプロ奢さんが『abemaTV』に出演しているのをたまたま
奥さんが見て「こんな人もいるよ、面白いねー」と教えてくれたのがキッカケですから。
プロ奢 奥さんからしたら大変な話ですよね。自分の何気ない一言で旦那が影響されて「レンタルなんもしない人」を始めちゃうっていう(笑)
レンタル ちょうどいいタイミングだったんですよ。
プロ奢 そのとき仕事はしていたんですか?
レンタル 会社も辞めて、もうほとんど何もしていない状態でした。
プロ奢 それで僕を見つけたばっかりに人生の歯車が……。で、今やドラマ化でしょ? 僕『レンタルなんもしない人』がウケる理由ってなんだろうと考えたんだけど、
レンタルさんに人間性が求められていないところにあると思うんですよね。普通は主役に感情移入するために生い立ちとか、日々の生活とか語られるじゃないですか。でもレンタルさんはそういう情報がないほうが「レンタルさん」っぽいというか、逆に存在感が際立つ気がする。そこらへんドラマではどう描かれてるんだろう?
レンタル 面白ければ、人間性は全然なくていいですね。僕は最初にプロ奢さんを知ったとき「すごい超人的な人だなあ」と思った。
ニーチェの『ツァラトゥストラかく語りき』に出てくる「超人」を実践してる人が本当にいるんだってびっくりしたんですよね。自分の内発的な価値観によってのみ、生きる。それってニーチェが言うように理想的だけど実際難しいだろうなと諦めていたんですが、「実践してる」って初めて思えたのがプロ奢さんだった。
「プロ奢さんを見たときはニーチェのいう『超人』が本当にいたんだ、と思いましたね」(レンタルなんもしない人)
プロ奢 へ~、俺がよく「妖怪」っていうやつですね。ニーチェでは「超人」なんだ。
レンタル あらゆる価値観を否定することなく、でも自分の価値観で生きている。欲望だけで生きていけることを実践しているプロ奢さんがいたから、僕もできることからやってみようと思えたんです
プロ奢 ニーチェって実際読んだことないや。
レンタル もう「超人」だから読む必要ないと思う。
プロ奢 Kindleアンリミテッドに入ってるみたいだから読んでみよー。レンタルさんは僕の本の帯も書いてくれましたね。
レンタル あれは
今までで一番、文字単価の高い仕事だったかも。
プロ奢 これは何に対しての同意なの?(笑) えらてん(えらいてんちょう)の「無宗教の聖典」に対して?
レンタル タイトルに関しての感想ですね。『嫌なこと、全部やめても生きられる』ってまさに僕もそうだから。この本を読んで、プロ奢さんはどんな事象も一般化して自分以外の人にも当てはまるように、わかりやすく言い換えるのが上手だなと思いました。たとえば「自分にとっての直立二足歩行を探せ」とか。押し付けがましくないけど、しっかりアドバイスのようなものが含まれている。そこが僕と違う点で、僕は基本的に「簡単な受け答え」しかしないので……。
プロ奢 僕の本は「曖昧な人類」向けの内容だから、本屋さんに並べちゃうと一般化しきれてなくて浮いてますけどね(笑)
レンタル でもビジネス書っぽくまとまってるなあと思いました。ちゃんと読んだ人が「あ、こうすればいいんだ」ってわかりやすい指南書になっているというか。