金髪モヒカンのつくば市議「勝手につくば大使」の散髪に密着
今年10月に行われたつくば市議会議員選挙で、27歳の青年「勝手につくば大使(以下、大使)」こと小村政文氏(27)が当選を果たした。翌日は朝のワイドショーにも出演。注目されたのは最年少当選という若さもさることながら、その奇抜な「金髪モヒカン」という髪型であった。大使はなぜ「金髪モヒカン」のまま議員になったのか?
茨城県つくば市にある美容室「voice」。大使は月に2回、ここを訪れてはトレードマークである「金髪モヒカン」のメンテナンスをしている。この日はサイドの刈り上げに加え、伸びた“トサカ部分”のブリーチをする(こちらは月に1回)予定だ。金髪モヒカンの市議が誕生! と、とっても話題になっているが、いつからその髪型なのだろうか。
「モヒカンは予備校に通いながら浪人生活を送っていた8年前からです。美容師をしていた友人の練習台として、いつも公園で切ってもらっていました。髪の毛がとてつもない剛毛でいつも収拾がつかなくなっていたので、思い切ってモヒカンにしてみたらこれがしっくり来たんです。これまでずっと髪にコンプレックスを抱えてきた人生でしたので」
ちょっと髪が伸びるとすぐに頭がたわしみたいになってしまう大使に付いたあだ名は、「陰毛」だった。いまなら笑い飛ばせるあだ名かもしれないが、当時は多感な中学生。「女子の前でそんなこと言わないでよ……」と本気で傷付き、悩んでいた。ヘアーアイロンをかけても、すぐにたわしに戻ってしまう。授業中はいつも髪の毛を気にして、手でひたすら髪を伸ばし続ける、そんな少年だった。
大使は、筑波大学在学中の2015年から、市の公認を得ずに「勝手に」大使としての活動を開始。活動内容は主にフリーペーパーの発行と市の魅力を伝えるブログの運営だ。ブログは自ら現場に赴きすでに約700記事以上を配信。市議に当選したことからもわかるように、つくば市における大使の知名度は圧倒的である。活動をはじめたときにはすでに「金髪モヒカン」だったため、自然と大使のトレードマークになったのだ。
とはいえ、市議会議員に立候補するのならさすがに普通の髪型に戻したほうがいいのでは、という周囲の声も多かった。しかし、大使は迷わず「金髪モヒカン」で選挙に挑んだ。それには明確な理由がある。
「ずっとコンプレックスであれだけ嫌だった自分の髪の毛が、市民のみなさんに顔を覚えてもらえるツールとして本領を発揮してくれたんです。金髪モヒカンはもはや“僕自身”なんです。いまから“普通の髪型”に戻すことのほうが私にとっては奇抜であるし、とても違和感があります。それに、髪を切ったからといって投票するなんて人、いないと思うんですよ」
いまでこそ美容院に通い金髪モヒカンのメンテナンスをしている大使だが、筆者が過去に執筆した記事『収入は3年間で2万円、茨城限定の有名ブロガー「勝手につくば大使」の過酷すぎる生活に密着』でもわかるように、当選の直前までアルバイト漬けの日々を送っていた。とにかく金のなかった大使は、5年間「金髪モヒカン」の維持を自分で行っていた。
「ドラッグストアで買った500円のブリーチ剤で、いつも金髪にしていました。サイドはバリカンで適当に。自分、不器用なので薬剤が坊主部分に垂れ流し状態で、いつも歯を食いしばりながら染めていました。頭がなくなると思ったことだってあるくらいです。だから、そんなに簡単に黒にしろ、丸くしろって言わないでほしい」
当選後初である大使の散髪現場に密着し、そのこだわりを取材した。
金髪モヒカン市議「勝手につくば大使」の散髪に密着
選挙中もこれからも「金髪モヒカン」を貫く
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