更新日:2022年12月10日 18:33
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収入は3年間で2万円、茨城限定の有名ブロガー「勝手につくば大使」の過酷すぎる生活に密着

 人気YouTuberや人気ブロガー。年収数億円なんていう彼らのお財布事情を聞くと、真面目に働くのがバカバカしくなってくる人もいるはずだ。とはいえ、安心してください。そんなひとはほんのひと握り。日の当たらない人間のほうが魅力的に映ってしまうのは筆者だけではないはずだ。今回は、大学を休学してまでブロガーになったが、まったく収入にもならず、情熱だけでブログを書き散らしている「勝手につくば大使」を紹介したい。
勝手につくば大使

勝手につくば大使こと小村政文氏

見た目は茨城のヤンキー(通称イバヤン)

 「勝手につくば大使」こと小村政文氏。小村氏は「勝手につくば大使」というブログを3年前から運営しており、茨城県つくば市の飲食店や施設の取材記事を精力的に更新。同市の魅力を発信し続けている。小村氏はその名の通り、つくば市の公認を受けることなく勝手に大使を名乗っているだけ。そもそもつくば市には、つくば観光大使という正式な存在がすでにいる。 勝手につくば大使 金髪のモヒカンにぶっといピアス。外見はどう転んでも茨城のヤンキー、いわゆる「イバヤン」にしか見えない……。一体この男は何者? オタク気質の記者はどうもウマが合いそうになかったが、その活動内容や大使の人物像を掘り下げるべく、コンタクトを重ねた。

勝手に大使になった理由

 小村氏は現在24才。大学を休学しながら活動をしている。  大学2年の頃は、夜になると友人たちと酒を飲み、昼過ぎに起床。知らないうちに再び夜を迎え、また酒を飲み始めるという自堕落な生活を送っていた。しかし、このままではいけない。なにか自分で行動を起こそうと考えたのが「コストコタクシー」。コストコで売っている商品は大きいから、代わりに自分が買いに行って手数料をもらうという計画だったそうだ。 「自分ではなんとかしてひねり出した案だったんですけどね。知り合いに話したらボロカスに言われて計画だけで終わりました。そこで“つくば”っていうマイナーな街の魅力をひたすら紹介し続ける大使活動を勝手にやってみろよ、と提案されたんです」  これが勝手につくば大使の誕生秘話。なんと自分の考えで始めたことではないそうだ。しかも任命当初はそこまでつくばが好きではなかったという。つくばにした理由はあくまで自分が住んでいるからという簡単なものだった。小村氏は大学進学のためつくば市に引っ越しただけで、生まれは北海道。しかし、つくば市を取材していくうちに田舎の魅力というものにどんどんと引き込まれていったそうだ。 「田舎のおばちゃんの店に飲みに行って、酔っぱらって、またそこで知り合いが増える。常連になると『あんたまた来たの?』と肩をたたかれる。最高じゃないすか?」
勝手につくば大使

撮影も自撮りで行うことが多い

 3年間で更新したブログはすでに500記事を越えている。そのほぼすべてが取材をもとに書いているというのだから、情熱は相当なものである。そのエネルギーをコストコタクシーにつぎ込んでいたらどうなっていたのか。うっかり客を乗せてしまったら白タク(違法行為)であえなく御用だ。法律的な事情を大使が認識しているとは思えないが……。 「つくばが好きで好きでしょうがないっす!」  すでに小村氏の頭の中にはコストコの「コ」の字もないようだ。
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「俺、友達がいないんです」
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元週刊誌記者、現在フリーライター。日々街を徘徊しながら取材をしている。著書に『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)。Twitter:@onkunion

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