更新日:2020年11月28日 09:15
エンタメ

金髪モヒカンの27歳がつくば市議に。「勝手につくば大使」は、なぜ当選できたのか

地獄のアルバイト生活からも脱出

 当選してからは、毎日勉強の日々だという。政治や経済に関する基礎的な勉強、地方議員と行政の関わり、議員必携。また、過去の議事録や過去の資料を読み込み、つくばが抱える問題点を洗い出している最中だ。しかしながら、議員としてはもちろん、政治に関しても初心者である。4年間の議員生活を、大使はどのように過ごしていくのだろうか。 「普段、市議会議員がどんな活動をしているかって、市民は知らないと思うんです。当選した自分ですら知らないくらいですから。議員は何をしているのか、議会で何が決まったのか、市民は何が利用できるのか、議会の見える化を、主にYouTubeを使って私が進めていきます。本来、市議会議員は市民と行政を繋ぐ役割。まずは自分がその存在になることです」
大使

大使はつくばにとってすでにかかせない存在である

 もちろん、「勝手につくば大使」としての活動も続けていく。その活動はすべてつくばのためであり、つくば市議としての活動にも直結するからだ。これからは、議員報酬として月に手取り24万円程度が大使の手元に渡る。ついに地獄のアルバイト生活からも脱出ということになる。 「議員報酬はつくば市民の税金から支払われているものなので、これまでのアルバイト代とは意味合いも意識も変わってきます。いよいよ、つくばに生かされている、つくばがあってこその自分という気持ちになってくる。これまで応援してくれた市民の方々に、恩返しをする番です。アルバイトに費やしていた時間をすべてつくばのために割くことができる。そう考えると、武者震いがするほど楽しみで仕方がありません」

目標は「つくば大使館の設立」!

 3年前の取材時に大使が掲げていた目標は、「勝手につくば大使1本で食っていけるようになること」だった。悪く言えば、自分本位の目標でもあった。では、現在の大使としての目標は何なのだろうか。 「大使館の設立です。つくば市には個性的な作り主、素晴らしい商品がたくさんありますが、つくば市は広く、作り主と市民が繋がっていない。地元名産品のアンテナショップをつくり、つくばの産業を支える一役を担いたいです」  金髪モヒカンの青年がつくば市議に当選したのは、「勝手につくば大使」がつくば市にとってなくてはならない存在であると、市民が確信したからにほかならない。<取材・文/國友公司>
元週刊誌記者、現在フリーライター。日々街を徘徊しながら取材をしている。著書に『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)。Twitter:@onkunion
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