デジタル

現金派の人にイライラ。キャッシュレス社会が生み出す「速度格差」

キャッシュレス社会が生み出す「速度格差」

 急速に進む社会のキャッシュレス化。これは紛れもなく、新型コロナウイルス感染拡大のプラス面だ。歴史にはどのような出来事にもプラス面とマイナス面がある。「キャッシュレス後進国」と言われていた日本でもいつの間にかキャッシュレス決済が当たり前になったことは、紛れもなくプラス面だ。  しかし、ここにも「格差」と呼ぶべき現象が発生している。キャッシュレス派と現金派が同じレジに並ぶことで起きる「速度格差」である。

現金派の人にイライラ

レジ

※写真はイメージです(以下同)

「コンビニのレジに並んでいる時、私の前の人が小銭入れからお金を取り出していました。それがまた遅くて、ついイライラしてしまいます」  そう話すのは、静岡県静岡市に住む60代の女性Aさん。 「私もつい最近まで小銭入れでガチャガチャやってたから、あまり人のことは言えないのですが……。それでも『交通系ICカードくらい使えよ!』とは思ってしまいます。だって、私ですら使いこなせるくらい簡単なものですから」  Aさん曰く、ここ最近キャッシュレス派と現金派の決済速度が際立っているという。交通系ICカードで買い物をするAさんは、当然ながらカードを端末にかざすだけで決済を完結できる。しかし静岡市には今でも現金派の人が多く、それがレジ前の渋滞を形成する要因になっている……とAさんは話した。  静岡市は、首都圏ほど交通系ICカードが「生活必需品」として見なされていないという事情もある。が、その一方で地場系スーパーマーケットも交通系ICカードを含むキャッシュレス決済を取り入れている。ここにある種の摩擦が発生するのだ。
次のページ
現金派がキャッシュレス移行する可能性は……
1
2
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ