コロナ結婚した夫婦たち。明暗分かれた「その後」の生活
すでにコロナ禍に突入してから10か月。生活様式の変化によって、夫婦仲が良くなった・悪くなった、さらには結婚・離婚したという緊急事態下での「男女話」が様々なメディアで取り沙汰されるようになって久しい。今回は、国全体、ひいては全世界が先行き不安な雰囲気に包まれていた時期に結婚したという二組のカップルの「その後」に迫った。
「性格も好みもまるで合わない。間違った判断でした。今は開き直っています。吊り橋効果は怖い」
千葉県内の元イタリア料理店オーナー・大原幸雄さん(仮名・40代)は、今年4月に結婚した妻(40代)と、5か月後の9月に離婚した。妻は元従業員で、支店を任せていた元店長。
すでに10年近く、仕事のパートナーとして過ごしてきたが、夫婦としてはうまくいかなかったのだ。何があったのか?
「2月頃からコロナで客が減りました。店がかなりピンチになってどうしよう、と毎晩話をしていたんです。怖いというか不安というか、そんな時にずっと一緒だったもんだから……。そのドキドキを恋愛と勘違いしちゃったのかな? 二人なら乗り切れる、どうして今まで気がつかなかったんだと盛り上がってしまいました」(大原さん、以下同)
この危機を二人で乗り切ろう、店を守ろう、そう決意するまでは良かったが、コロナの猛威は衰えず、店の経営はすぐに行き詰まった。
光熱費や家賃などの固定費が払えず口論が増え、店を守る以前に、二人でいることが苦痛になった。そして、店を開けることすらやめてしまったのだ。
「何かにすがりたかっただけなんでしょうね。結局、従業員としては尊敬していたし、店をどうにか守ってほしいと願っていただけで、あの時芽生えた恋愛感情は偽物だったと。10年以上一緒にいて何もなかったんだから、そりゃそうだよなって(笑)」
肝心の店の方は、離婚直後の9月から再び営業を開始した。厨房には大原さんが立ち、大原さんの元妻も店内を忙しく動き回っているという。
「気まずさ? は、ないですね。今までは酒に酔ったりして、お互いを男女として意識したりすることもあったんですけど、結婚して離婚して、お互いに『こいつはねーや』と確信した。仕事はうまくいってますよ。あとは、コロナさえ収束してくれればね」
コロナ結婚&離婚を経験「吊り橋効果は怖い」
何かにすがりたかっただけ
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