更新日:2020年12月22日 16:36
エンタメ

混沌の「M-1決勝」全記録。上沼恵美子とマヂカルラブリーの因縁、ついに決着【決勝ネタの全動画あり】

堂々たるネタを披露したトップバッター

 トップバッターは屋外の会場である六本木ヒルズアリーナでの敗者復活戦を半袖の舞台衣装で戦い、勝ち上がった「インディアンス」。決勝の舞台へ生還し、2年連続決勝進出となった。  速射砲のように喋るボケ担当の田渕君。最初のボケは早かったが、その後は間を取りゆっくりと始まった印象。しかし一つひとつ丁寧である。昨年の「インディアンス」は田渕君がボケ続けるものの、ツッコミ担当のキム君は最後に1発決めるのみ。「ボケが多い」というより「長いボケが1つ」という印象だった。それが丁寧にボケ、畳み掛けるときにはボケ続ける。  そして、キム君がしっかり決める。審査員の松本人志氏も「うるさいわーのタイミングが絶妙」と高評価。得点625点。堂々たる勝ち上がりだった。

判断が分かれた「東京ホテイソン」のツッコミ

 2番手は「東京ホテイソン」。「謎解き」のネタを披露する。  ボケ担当ショーゴ君の答えがすべて間違っており、正解をツッコミ担当たける君が岡山の伝統芸能「備中神楽(びっちゅうかぐら)」を取り入れた独特のツッコミで決めて笑いを誘う。  しかし、得点は617点。結果今大会最下位に沈んだ。審査員のオール巨人氏からは「頭を使わなければいけない」「ツッコミはお客さんの代弁」「もっとわかりやすいネタをすれば」というコメントが出た。  仰るとおりであり、さすが巨人師匠だと唸ったが、以前から「東京ホテイソン」を知っている俺はもっとわかりやすかった「東京ホテイソン」を知っている。しかし、その形では決勝進出することができなかった。  だから彼らは試行を凝らし、あえてわかりづらくすることで変化させた。今回、初めての決勝進出を勝ち取ったのだ。それを知っている事務所の先輩である審査員の「サンドウィッチマン」富澤たけし氏は「ツッコミが進化していて凄いな」というコメントだった。皮肉な結果となった。
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優勝候補本命たちの意地
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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