更新日:2020年12月22日 16:36
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混沌の「M-1決勝」全記録。上沼恵美子とマヂカルラブリーの因縁、ついに決着【決勝ネタの全動画あり】

因縁の決着は思いのほかあっけなく

 それを受けて6番手に登場するのが「マヂカルラブリー」。  2017年、決勝の舞台に初登場した『マヂカルラブリー』。審査員の上沼恵美子氏から「好みじゃない。よう決勝残ったな」と酷評された。3年の時を経て、ついに上沼恵美子氏との因縁の決着戦へと向かう。  ネタは「高級フレンチのマナー」を教えてもらうというネタ。前回披露した「野田ミュージカル」よりわかりやすく、2人の掛け合いもあり、大爆笑。カメラに抜かれる上沼氏も大爆笑。得点は649点。暫定の2位となり、最終決戦進出の可能性を残した。  上沼氏から「馬鹿馬鹿しさが突き抜けるというのは芸術」という最高の褒め言葉をもらい、93点という得点。大喜びの2人だった。

「オズワルド」に課された来年への宿題

 7番手は2年連続出場の「オズワルド」。  ネタはボケ担当畠中君が「名前が母音だらけなので自己紹介のときに口が開きっぱなしになるのが怖い。だから改名したい」という独特のネタを披露。彼らの売りはやはりロートーンなところだと思う。  しかし、2年連続出場するための「進化」として、今回は後半、ツッコミ担当伊藤君がハイテンションになり、ツッコんでいく部分を強めた。昨年、史上最高得点で優勝した「ミルクボーイ」のあとに登場した経験が彼らを動かしたのかもしれない。出来もよく、ウケも強い。  だが、これに対して審査員の松本氏からは「『オズワルド』は静かな感じで見たかった」とコメント。逆に巨人氏は「最初から伊藤君が大きな声でツッコんだらどうですか?」というコメント。ともに88点という点数を出した審査員から真逆の意見が出たことに動揺を隠せない「オズワルド」。来年に大きな宿題を残すとともに、皮肉にも今回も優勝コンビの直後に登場したことになった。  8番手は「アキナ」。  2016年に決勝進出した2人は昨年のM-1には出場していない。新たな気持で今年挑み、4年ぶりに決勝の舞台に帰ってきた。ネタは「仕事場に好きな女性をつれてくる」というもの。準決勝では大爆笑だったネタだったが、審査員の富澤氏から「おじさんには好きな女子という設定がハマらなかった」というように決勝の「大人」審査員には響かず、得点622点。
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お笑いは「復讐劇」なのか?
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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