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「副業会社員」が見落としがちな意外なリスク…経営者の建前には要注意

会話量を増やして人間関係を円滑にする

副業 ただ注意したいのは、副業に向けて動き始めることが斜めに見られてしまう可能性は、自分のすぐ近くの上司や同僚からもあることです。  失敗したら「何やってんだか」と見られ、うまくいったら「調子に乗りやがって」というやっかみのようなことを言われかねません。  そうした余計な副作用を回避するための方策は、とりあえずは自分が何を考えているのかを伝えるためにも、ちょっとしたタイミングでもいいので積極的に会話量を増やすことです。  人間が他人を気持ちが悪いとかネガティブに思うのは「何を考えているのかわからない人」に対してです。  会社の隣のカフェで涼しい顔でイヤホンで音楽聞きながらノートパソコンを開くのはいいとしても、同僚を見かけた時にはちらっと見てまた画面に顔を戻すのではなく、明るく挨拶して、自分が副業で何をしているのかや、本業の近況はどうなっているのかなどの雑談を少ししたほうがいいでしょう。

経済合理性については熟慮が必要

 今の会社での仕事以外にどうしてもやりたいことができてしまった、でもいまの仕事も続けたいという場面になったとき、仕事の継続という話を付けて自らフリーランスになって今の会社の仕事とやりたい仕事を両立させるということもできます。  すると、たとえば月給30万円を正社員として1社からもらうよりも月給20万円と10万円で2社からフリーランスとしてもらうほうが目先の手取りは増えたりもします。  ただし、「そうかそうか、やりたい仕事もできて実入りも増えるのであればここはフリーランスになって挑戦しよう」と安易に考えることはおすすめしません。  退職金や年金を考えると正社員のほうが経済合理性があることが多いので冷静に計算することと、コロナショックで顕著だったようにやはり正社員であることの安定感をどう捉えるかを踏まえて判断したほうがいいでしょう。  あくまでも個人はブームに踊らされずに徐々に土壌作り、確認から始めていって、会社はブームに乗ってとりあえずはじめてみたほうがいいというのが現時点での副業の捉え方かと思います。
東京大学大学院工学系研究科修了後、経営戦略コンサルティングファームのコーポレイトディレクション、ダイヤモンド社を経て、産業再生機構はじめ3社の投資ファンドなどに勤務し、プロ経営者を務める。慢性的な業績悪化に苦しんでいた健康器具メーカー、事務機器メーカー、老舗の化粧品・健康食品会社において、就任初年度でV字回復、再成長を果たす
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