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「副業会社員」が見落としがちな意外なリスク…経営者の建前には要注意

「稼働に波がある仕事」こそちょうどいい

副業 たとえば、それを副業人材でカバーして、身の丈に合った健全な議論を重ねればコスト負担は低減します。  実際に著者はM&Aにかかる業務一式を経験したことがあるので、複数の中小企業のM&Aについての非常勤顧問をしています。  M&Aについて一人固定で雇おうとすると高給取りを雇わなくてはならない一方で、年がら年中会社を買っているわけでもありませんので稼働に波があります。  買収案件を探すのも情報網を張っておいて受け身で待つことが大部分を占めるので、常勤者だと手持ち無沙汰になったりもして、中小企業にはフィットしません。非常勤で必要なタイミングだけ呼ぶのがちょうどいいのでしょう。

企業が一度はきちんと考えるべきこと

 企業経営を考えるうえで労働人口が減少の一途をたどることを考えると、自動化や省力化などの生産性向上のほかに副業人材の活用ということは考える価値のあることですし、自社の社員にも機会を与えたほうが時代の流れには乗るでしょう。  個人が副業をすると業務内容が何であっても共通して、仕事や売り上げを取ることの難しさを体感でき、税金のリテラシーもつくので売り上げ機会、利益・お金への感度は上がっていきます。  社員がそうした感覚を身に着けることは、会社の仕事にとってプラスになることはあれど、マイナスになることはほぼありません。  そうした観点から、企業にとっては副業を認めることも受け入れることも両方考えていくべきことです。
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いまだに副業が活発にならないワケ
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東京大学大学院工学系研究科修了後、経営戦略コンサルティングファームのコーポレイトディレクション、ダイヤモンド社を経て、産業再生機構はじめ3社の投資ファンドなどに勤務し、プロ経営者を務める。慢性的な業績悪化に苦しんでいた健康器具メーカー、事務機器メーカー、老舗の化粧品・健康食品会社において、就任初年度でV字回復、再成長を果たす

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