恋愛・結婚

離婚を語るとき、男は気持ちを言葉にできない。男女でちがう離婚の言い分

3. 男は「社会の物差し」、女は「わたしの物差し」で自分を正当化する

 男性は妻への恨み言を吐く際、「彼女の言動が、いかに社会倫理上許されないか」「客観的に見て、いかに自分が正しいか」をセットで主張する。ある男性が語っていた次の言葉が象徴的だ。 「妻は、僕の年収が低くてまともに暮らせないと言いました。収入のことで誰かをなじるなんて、大人としてありえない。ネット記事でも同様のケースを読んだのですが、彼女は完全に●●●(精神疾患名)ですよ。それに、僕は平均年収をクリアしていますから、そんなことを言われる筋合いもない」
離婚

画像はイメージです

 一方、女性は「いかに私が傷ついたか」「いかに私が被害者だったか」を感情ベースでとうとうと説明する。象徴的なのが、ある女性が言った次の言葉だ。 「あんなに悲しい気持ちになったのは、生まれて初めてでした。毎日こんなにも一生懸命がんばっているのに、なぜ彼は私を評価してくれなかったのか。どうしても納得がいきません。たった一言、労いの言葉をかけてくれればよかったのに……。毎日、殺意が湧いていました。今でも、思い出すたびに吐き気がします」  なお、筆者が求めていないのに、元配偶者とのLINEのスクショや、裁判時の各種資料といった“客観データ”を準備してきてくれるのは、たいてい男性だ。また、自らの離婚を個別ケースとしてではなく、「日本の結婚制度の欠陥」にまで話を広げて一般化・社会問題化しようとするのも、男性に多い。

4. 男は説得しようとする。女は共感を求めてくる

 男性はインタビュアー(筆者)に対し、「いかに自分には非がなかったか」を饒舌に説明し、筆者からの「どう考えても、非は奥様にありますね」という言葉を期待する。その点、女性は「いかに自分が傷ついたか」を切々と語ることで、筆者からの「わかります。それはつらかったですね」という言葉を期待する。  つまり、男性が他人に離婚話をするのは第三者の裁定が欲しいからであり、女性が他人に離婚話をするのは共感が欲しいからだ。
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女は「結婚は無意味だった」と封印する
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