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電波ゴトで命を削ってもパチンコで稼ぎたかった中国人たちの末路

中国人ゴト師が持っていた機械

 電話をもらって仕事を片付け、現場に着いたのは翌日の夜だった。場所は東大阪のとあるアーケード商店街。約束の時間は0時で、某駅前で店長と落ち合うと、商店街のにあるホールへと案内された。250台ほどの店内はギラギラとやけに明るく、床も当時多かった木床の作りで、油性ワックスと玉研磨のペレットの臭いが漂う、一昔前の「ザ・パチンコ屋」という感じのホールだった。目的のブツは、カウンターの上に無造作に置かれていた。強めのアイパーがやけに似合う強面の店長は、ニヤニヤしながら「これなんやけどな、中国人が持っとったヤツ」とブツを手に取って見せてくれた。それは体感器本体と、大きめのコイル状の物体がアンテナよろしくコルセットにガムテープで張り付けてあるものだった。 「これをな、体に巻き付けとったんや」  手作り感満載のその道具は、コードや線が絡んで一塊の状態だったが、なるほど体に巻き付けられるようになっていた。

モンスターハウスがゴト行為で抜かれていた

 気になるのは被害に遭った台である。どの台でこれをやったのか聞くと、モンスターハウスだというのだ。「CRモンスターハウス」(竹屋)は当時の大ヒット機種で知っている人も多いだろう。1回ループながら人気が高くほとんどの店に導入されていたが、大当り乱数は狙いやすく、体感器で攻略されている機種だった。  中国人と言えば、このころは「偽造パッキーカード」(※当時はCR機専用磁気カードを購入してプレイしていた。関西はパニーカード)で名を成していた。当時は上野でイラン人たちが「テレカあるよー」と偽造テレカを販売していたのに、いつの間にか彼らに代わって「偽造磁気カード」を捌き、そして電波ゴトで荒稼ぎしていたのだ。この後彼らは「ぶら下がり」や「偽ROM」へとシフトしていくわけだが、それはまた別の話。
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実際にゴトの道具を試すと……
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元パチンコ雑誌編集者。ライター、編集者。パチンコ業界歴は30年近い。現在は業界誌の他WEB媒体に転職系や占い、オカルト系記事なども執筆中

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