ぼる塾・きりやはるかのインスタが面白い メンバー2人をイジりまくり
文/椎名基樹
ぼる塾のきりやはるかのインスタが面白い。きりやは、他のメンバー2人のことを、ぽっちゃりとしたかわいいペットのように思っているらしい。きりやのインスタには、あんりと田辺智加の顔面アップ写真が執拗に投稿されている。
ほとんどが何かを食べている写真である。その写真にきりやによる「可愛い過ぎない???」とか「どんどん綺麗になってない?」、または「ハンバーガー田辺」「フライドポテト田辺」など、悪意を感じるコメントが添えられている。その遠回しな毒舌と2人のゆるキャラ感溢れる可愛らしさが相まって、とても笑える。見ているとなぜだか幸せな気分になる。
きりやの無神経ぶりに、何度か本当に2人がイラついている。しかし基本的には、あんりも田辺もきりやに対して寛容である。天然のちょっと頭のネジの取れた妹のように、きりやを思っているようだ。ただ天然ぶりと言う点では、田辺さんが3人の中で際立っていて、ネタ合わせ中に居眠りしたり、立ったまま眠る田辺さんの動画が可笑しい。田辺さんを“令和の女高木ブー”に認定したい。
あんりと田辺さんの顔面アップを執拗に投稿
過去のストーリーズの動画もまとめてアップされていて、1番古い動画は3年ほど前のモノである。きりやは、3年間に渡って、無遠慮に2人を撮影し続けていて、これも2人の食事動画が主だ。時より、きりやが「あんりにおにぎりもらった~。ありがとう子豚ちゃん」などと失礼なことを言と、そのたびにあんりが「そーゆーこと言うんじゃないの」と間の良いツッコミで返す。日常的にコントをしているようだ。
無神経なきりやはるか、寛容なあんり、天然の田辺さん
ご存知の方も多いと思うが改めて説明すると、ぼる塾は、幼なじみのあんりときりやはるかが、2016年に結成した漫才コンビ「しんぼる」と田辺智加と酒寄希望が2012年に結成した「猫塾」が合体してできたお笑いカルテットである。2019年2月に酒寄が産休・育休に入るのを機に『ぼる塾』というタイトルのツーマンライブを行うも、酒寄がつわりで出演できなくなり、急遽3人での漫才を披露したところ大ウケしたことで、2019年にぼる塾を結成。そして2020年にブレイク(!)。「まぁね~」が、その年の流行語大賞にノミネートされた。「笑い」というものが、かくも微妙なさじ加減の元で成り立っているということを実感する。そして人間の運も。 酒寄の育休が明けるまではトリオとして活動する予定だと言う。今後、誰かが出産を迎えても「いつでも育休OK」のルールを設けているらしい。新しい! もし芸人になる入り口が、現在のように「学校」ではなく、昔のような「弟子入り」だけだったら、お師匠さんから「芸の道はそんなに甘いもんじゃおまへん!」と怒られていただろう。また伝統的なお笑い芸人の道しかなかったら、ぼる塾のような芸風は生まれえなかったのではないだろうか。
1
2
1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ