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ぼる塾・きりやはるかのインスタが面白い メンバー2人をイジりまくり

とんねるず、アンガールズに続く「ヘタウマ」芸

 ぼる塾の芸を一言で言えば「ヘタウマ」な漫才だと思う。「ヘタウマ」とは、元々は’80年代にイラストレーションの世界を席巻したスタイルを指す言葉である。文字通りヘタだが(だからこそ)味のある画風を意味する。

 その後「ヘタウマ」と言う価値観は、イラストにとどまらず、日本のサブカルチャーを支えるもっとも基本的で本質的な概念となった。人々の潜在的な物の見方にも影響を与え、その影響は現在にまで至っている。  世の中の空気に敏感なお笑いの世界も、早々とその影響を受けた。とんねるずなどは、そうした時代の寵児なのかもしれない。アンガールズは「ヘタウマ」の概念が最もぴったり当てはまるスタイルに思える。

きりやのインスタはわちゃわちゃしてて、おもしろい

 「ヘタウマ」な芸は、かわいらしさ、チャーミングであることが不可欠で、現在では、ぼる塾やパーパーなど女芸人が、このスタイルを踏襲しているのも非常に合点がいく。しかし漫才やコントにおける「ヘタウマ」は、ある意味わざと下手を演ずることも必要で、そのさじ加減は非常に難しいのではないだろうか。また、全て計算ずくで「ヘタウマ」を作り上げることも難しく思える。そしてそれは師匠から教えられるものでもない。  ぼる塾の「さじ加減の秘密」が、きりやはるかの投稿動画から少し見えてくるような気がした。きりやのインスタのストーリーズには、食事シーンの他に、自宅アパートの日常生活、3人のお出かけ、劇場の楽屋で他の芸人たちとじゃれあってコントする姿などが収められている。そこには芸人を目指す若者たちの、ヘンテコな青春の空気感が伝わってくる。そのおかしみがうまくパッケージングされた時、ぼる塾の「ヘタウマ」な漫才が生まれたように思える。またこれらの動画は、女の子たちの(実に楽しげな)冒険の記録であり、視聴すると爽やかな気持ちになる。
1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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