ライフ

未経験の2人が始めたミニコミ専門書店。コロナ禍での苦労とその先

YouTubeチャンネルを開設し

「なので、6月は一時休業をとって代わりに店に来られないお客さんのために『バーチャルシカク』というYouTubeチャンネルを開設したんです。ライブ配信でシカクに来ているような気分を味わってもらうためにスタッフが新作の紹介をしたり、視聴者の方から寄せられたテーマに沿って選書するサービスを行いました。  配信することで、遠方で来ることができない人からの購入が徐々に増えていきました。他には予算とアンケートの答えに応じて、おすすめの本をスタッフが選書する『おまかせ選書パック』というサービスを始めました。ご注文の金額に応じて、宣言中に書いていた日記の冊子やオリジナルエコバッグもつきます」  緊急事態宣言解除後の7月には完全予約制で店を再開し、10月以降は通常営業に戻し展示イベントも再開した。

イベントは再開できたけど…

シカク

イベントスペースでの展示の様子

「イベント再開させたことで売上は多少回復したのですが、トークイベントとなると客席を離さないけないので採算をとるのが難しいです。イベントの配信も試してみたのですが、今はどこも配信ばかりなのでライバルも多くて。現在の売上はコロナ感染拡大前の7割ほど。今後は展示を毎月開催したり、オリジナルの出版レーベルの本の販売数を増やしたりと、コロナ禍でもできることに今まで以上に力を入れていきたいです。  また、感染状況がもう少し落ち着いたら海外書物の販売も展開していきたいです。元々、語学に興味があって本当は昨年に短期留学して英語を勉強したかったんです。個人アーティストやアート系出版社が販売する、海外のアートブックフェアにもたくさん行ってみたいですね」  コロナ禍で苦しい時期もあったが、今年で10周年を迎えることとなった大阪のZine専門書店。シカクのこれからの10年にも目が離せない。<取材・文/カワノアユミ>
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
1
2
おすすめ記事