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借金苦の若者が集うシェアハウス。男女約10人が共同生活中

貧困ビジネスではなくあくまでシェアハウス

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貴重品や食料品などはすべて自己管理。それぞれ生活リズムが違うため、門限や消灯、風呂の時間も決まっていない

 この「セーフティネットシェアハウス」を昨年8月に始めたのが、運営責任者の岡さんだ。当初は普通のシェアハウスにする予定だったが「コロナで家や仕事をなくした若者が大勢いると知って、何か支援できないか」と考えたという。 「これまで200人くらい『満床で受け入れられない』という理由で断りました。多くはネットカフェで生活しているようなコたちで、住所不定なのでバイト先すら探せない。だから入居後には住民票をここに移してもらい、アルバイト先を紹介したりしているんです」 借金 また、物件がある豊島区や埼玉県戸田市の福祉課と掛け合って、緊急小口資金や総合支援資金を受けられるようにしているという。 「多くの若者は申請方法はおろか、制度の存在すら知りません。本来は共同生活では受給できないのですが、豊島区と交渉して特例でシェアハウスに暮らしたままでも受給できるようにしてもらいました」

毎月の家賃3万5000円以外は一切もらわない

 失礼な話だが、生活保護をピンハネする貧困ビジネスとの類似性を少々疑ってしまうが……。 「ウチは毎月の家賃3万5000円以外は一切もらいません。むしろここに来る移動費や当面の生活費を出しています。だからこそ、役所や警察署にも説明できます。  ボランティアではなく、あくまでもシェアハウス業者なので、自立支援も大切ですが、経営者として利益を出さなくてはいけません。ウチがつぶれたら彼らはまた路頭に迷ってしまいますから」
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「プライベートはありませんが、最低限のルールは自分たちで話し合って作っています」(岡さん)

 借金で苦しむ若者たちが、早く生活再建できることを願うばかりだ。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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