『エキサイティングベースボール』(コナミ/1987年)
コナミの野球ゲームというと1989年の『がんばれペナントレース!』が有名ですが、それ以前、1987年にディスクシステムで発売されたのが『エキサイティングベースボール』。ディスクシステムのセーブ機能を活かして、自作のチームをエディットし成長させる要素が導入されていました。さらにはプレイヤー同士で選手のトレードもできました。
コナミ『エキサイティングベースボール』
『究極ハリキリスタジアム』(タイトー/1988年)
一時期『ファミスタ』と並ぶほどの勢いがあったのが『ハリスタ』シリーズ。1988年発売の『究極ハリキリスタジアム』は、ファミスタよりもカジュアルな雰囲気で遊びやすかったのが特徴。
タイトー『究極ハリキリスタジアム』
速球派の投手の能力を上げると投げられるようになる「炎の魔球」もインパクトがありました。アナウンサーと解説者の掛け合いが入るのも『ハリスタ』らしいところ。あの頃は巨人戦が毎日テレビ中継されていましたね。
『ベストプレープロ野球』(アスキー/1988年)
他の野球ゲームとは一線を画し、シミュレーションの方向性を開拓したのが『ベストプレープロ野球』。『ダービースタリオン』の生みの親、薗部博之さんの初期の作品です。プレイヤーは監督となり、試合で指示を出して采配しますが、オートにすることも可能です。
アスキー『ベストプレープロ野球』
選手の能力をエディットし、実在チームの再現やオリジナルチームの作成など、プロ野球ファンの妄想が形になるパラレルワールド的な楽しさがありました。ファミコンを夜通しつけっぱなしにしてペナントの結果がどうなったかを朝チェックする、そんな遊び方もされていました。
『スーパーリアルベースボール』(バップ/1988年)
『スーパーリアルベースボール』はファミコン初の「プロ野球12球団公認」を掲げた野球ゲーム。1988年に開業した「東京ドーム」も再現されています。といっても、いわゆるファミスタ的な守備ではない独自のシステムが導入され、操作が非常に難しかったのを覚えています。ゲームの中身は“リアル”といえず、やや名前負けでした。
バップ『スーパーリアルベースボール』
以上、1988年までの主要なファミコン野球ゲームを見てきました。このあとも王者『ファミスタ』の牙城を崩すべく、さまざまな野球ゲームが登場します。1994年、スーパーファミコンで『実況パワフルプロ野球’94』がリリースされるまでの戦国期の振り返りはまたいつか。
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『
はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も