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グローバルダイニングの時短営業訴訟。飲食業界の本音は

協力金で儲かった店はほとんどない

 一部では、協力金で一時的に儲かったといった報道も出たのだが、実際はどうなのだろうか。恵比寿で飲食店を経営するオーナーは「そうした店はごく一部」と指摘する。 「時短営業を守って1日6万円、1か月で180万円の協力金を受け取っても都心部の店はほとんど赤字だと思いますよ。うちの場合、賃料で月50万円、スタッフ3名の給料を払い、さらに光熱費や維持費もかかってくるので諸々払うと完全に赤字です。  時短営業を守って得しているのは地代がかからなかったり、一人経営の小型店や郊外での家族経営店など、ごく一部の条件を満たしている場合くらい。ほとんどの飲食店は苦しい状況なんじゃないでしょうか」

闇営業した飲食店の本音

 時短営業を守り、悲鳴を上げる経営者たちがいる中、名目上は時短営業とし、協力金を受け取っているにも関わらず、こっそり時間外営業を行っていたというカフェのオーナーは「いけないこととは分かりつつ、店を守るために仕方なく営業していた」という。 「近くの飲食店で同様に時間外営業を行っているお店があったので、行政の見回りが来たかどうかの情報共有をしながら営業していましたが、毎日かなりヒヤヒヤしていました。20時前後にお客様のふりをして抜き打ちで調査に来たこともありましたね。協力金を貰いながら時間外営業をすることに罪悪感はありましたが、やらないと潰れていたので後悔はしていないです」  とは言え、深夜まで営業を続けることは神経を磨り減らす毎日だったという。 「ツイッターやインスタグラムなどで辛い現状を投稿したら“いいね”つきますが、正直状況は変わらない。むしろ、ネットで晒されて炎上したら、それこそどうにもならない状況になる。お店を開けていたから儲かったでしょ?と言われますが、20時を境に街から人がいなくなりましたから“儲かる”とは言えないレベル。まぁ、焼け石に水というのが的を射ているかな……。  近所でウチと同様に時間外営業してた店があるんですが、その店は満席で断ったお客さんが外で並び始めてしまって行列ができて、通報されたなんて話もききましたしね。こういった訴訟で我々の状況が少しでも変わる可能性があるのは嬉しいですよ」  まさに開けるも地獄、閉めるも地獄の状況に置かれていたというのである。
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飲食店プロデューサーも賛辞
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