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グローバルダイニングの時短営業訴訟。飲食業界の本音は

東京都を相手に訴訟を起こしたグローバルダイニング

非常事態宣言

非常事態宣言中の歌舞伎町

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のために1月7日から関東を中心に発令されていた緊急事態宣言が、3月25日をもって全ての都道府県で解除された。しかし緊急事態宣言が明けてもなお飲食店への時短営業要請は続いている。4月に入り、要請通りに時短営業を続けている飲食店もあるが、21時以降の営業を再開した店舗も増えているのが現状だ。  そんな飲食業界を賑わせているのが東京都から特別措置法に基づく時短営業の要請に応じず、時短営業命令を受けた飲食チェーン「グローバルダイニング」が東京都相手に訴訟を起こしている裁判。グローバルダイニングの長谷川耕造社長は「お金の問題ではない」という理由から損害賠償請求額を104円に設定したことでも注目を集めており、3月22日に開始されたクラウドファンディングでは4月2日現在で目標金額1000万円に対し、支援者が2800人、支援金が1800万円を超えるなど支持されている。

グローバルダイニングの英断に支持が集まる

 飲食店が東京都相手に起こした訴訟について、同じ飲食店経営者たちはどのように考えているのだろうか。都内で居酒屋やラーメン屋などを複数経営する小規模飲食グループのオーナーは次のように語る。 「コロナ禍で居酒屋でもランチ営業を開始するなど試行錯誤して営業していましたが、売り上げは全く伸びず、前年同月比で半分以下が当たり前のような状況でした。  あまりの苦しさからスタッフ同士の会話で『要請を無視して20時以降も営業してはどうか』という話は何度も上がっていたのですが、行政はもちろん、“自粛警察”の目も気になり時間外営業はしていません。そんな中、この訴訟について初めて聞いたときは『よくやってくれた!』と素直に思いました。感染症対策は万全だし、言われたルールの中で営業しているのに飲食業界だけが悪者にされている印象があったので、溜飲が下がる思いはありましたね」
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180万円もらっても儲けはない
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