“成長”を焦る「ゆとり世代」にはあえて“デキない上司”を演じるのも手

“成長”を焦る「ゆとり世代」にはあえて”デキない上司”を演じるのも手

 ここまで、数々のゆとりーまんの事例と対策を見てきた。これで準備万端、と思いたいところだが……。

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「対処法を知っておくことは大切ですが、彼らの”分析のみ”に陥ると、かえって事態は悪化する」

 こう警告するのは、企業のリーダーシップ研修を数多く手がけてきた古川裕倫氏。古川氏によると、会社組織は右の図にあるように、A~Dの4つのタイプで構成されているという。

「理想の上司は言うまでもなく、知力も行動力も兼ね備えたAタイプです。しかし、一朝一夕でなれるわけではない。『部下や後輩が自発的に行動しない』と気になって仕方がない30~40代には、実はCタイプの人が多いのです」

 Cは一見すると知力が高い分、DやBよりもマシなように思える。だが、実際には「××だからダメなんだ」などと理屈をこねるだけで行動しない、組織にとってはときにブレーキになる存在だとか。

「部下は上司を見て育ちますから、上司がゆとり世代の粗探しばかりしていると、彼らも結果的にCタイプの人間になりかねません」

 では、どうすればいいのか? 古川氏が提案するのは、ときにはDの“デキない上司”を演じてみる、という方法だ。

『よくわかんないから、好きなようにやっておいてよ』と丸投げされたら、イヤでも自ら行動せざるを得ない。それを徐々に行うことで、ゆとり社員もBタイプのガムシャラ型に育ってくれます」

 成長意欲は十二分にあるゆとり世代は、あの手この手で懐柔する。手間はかかるが、今一度自分がCタイプの先輩、上司に陥っていないか?と自己確認する意味でも、彼らに向き合ってみる意味はあるのかもしれない。

古川裕倫氏
ビジネスアドバイザー。三井物産に勤務後、’00年、ホリプロに転職し取締役執行役員を務める。近著に『「ついて行きたい」と思われる大きな器のリーダーになれ!』(ファーストプレス)

※図版補足
古川氏の著書『30歳までに身につける仕事で一番大切なこと』(日本実業出版社)より。
組織の人間は「知力」「行動力」のマトリックスで4つのタイプに分類できる。
まずは新入社員をDからBへいかに移行させるかが重要

取材・文・撮影/青山由佳 取材・文/島影真奈美(馬場企画) 金谷亜美(本誌)
取材/来栖美憂 杉原光徳(ミドルマン) 杉山 佑 中野一気(中野エディット) 吉岡 俊 図版/ミューズグラフィック

― 難敵[ゆとりーまん]懐柔マニュアル【11】 ―




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