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<純烈物語>「純烈が~、スーパー銭湯に~、帰ってきた~!」待望の温泉有観客ライブが再開<第92回>

「お客さんに仕掛けられて反応していくのが純烈」

 おそらく、自然体で普段通りにやる方がお客さんにとっては感動につながるんですよ。こっちが仕掛けているようで、お客さんに仕掛けられて反応していくのが純烈だから、それでいいんじゃないかな」(酒井)  先の御園座公演でも、酒井は23回分の舞台を「しっかりと手綱を握りしめるように」やり遂げると心がけた。さまざまなあり得ないシチュエーションを思えば、いくらでもエモくなれるところで自分をそうさせず全うするには、申し分ない環境と言えた。  ましてや酒井は純烈に関する複数のやるべき任務に対し、同時進行で頭を動かさなければならない。コンサートツアー、スーパー銭湯ライブ、メディアへの出演、7月の明治座、純烈ジャー……それら一つひとつに感情が持っていかれたら、思考が追いつかなくなる。  プロデューサーだからこその冷静な目は、純烈というプロジェクトを正しい方向へ導く上で絶対に失ってはならぬもの。個人の気持ちに左右されているようでは、務まらないのだ。  ただそうはいいつつも、人間だから感極まる時もある。酒井がそこで抑えきれぬ男だということを、メンバー&スタッフもファンも知っている。  2021年4月12日13時。場内が暗転しつつも外の明るさであまり暗くならない中、待ちに待った大江戸温泉物語ライブが始まった。幕が開くよりも先に聞こえてきたのは――。 「潤 沢の『秘すれば花』を引っさげて、純烈が~、大江戸温泉物語お台場に~、来~る~!」  遠慮が入りまくった「ひゃっ!?」という感じの歓声が少しだけ漏れた。スーパー銭湯ライブ復活の狼煙は、テレビドラマ『俺の家の話』に登場した潤 沢のカヴァー曲だった。 撮影/ヤナガワゴーッ!
(すずきけん)――’66年、東京都葛飾区亀有出身。’88年9月~’09年9月までアルバイト時代から数え21年間、ベースボール・マガジン社に在籍し『週刊プロレス』編集次長及び同誌携帯サイト『週刊プロレスmobile』編集長を務める。退社後はフリー編集ライターとしてプロレスに限らず音楽、演劇、映画などで執筆。50団体以上のプロレス中継の実況・解説をする。酒井一圭とはマッスルのテレビ中継解説を務めたことから知り合い、マッスル休止後も出演舞台のレビューを執筆。今回のマッスル再開時にもコラムを寄稿している。Twitter@yaroutxtfacebook「Kensuzukitxt」 blog「KEN筆.txt」。著書『白と黒とハッピー~純烈物語』『純烈物語 20-21』が発売

純烈物語 20-21

「濃厚接触アイドル解散の危機!?」エンタメ界を揺るがしている「コロナ禍」。20年末、3年連続3度目の紅白歌合戦出場を果たした、スーパー銭湯アイドル「純烈」はいかにコロナと戦い、それを乗り越えてきたのか。

白と黒とハッピー~純烈物語

なぜ純烈は復活できたのか?波乱万丈、結成から2度目の紅白まで。今こそ明かされる「純烈物語」。
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