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「もう終わったな…」炎上が避けられない時代に感じた芸能リポーターの限界

リポーターとしての四半世紀を振り返る

 インターネットの台頭で、かつてのようにテレビ業界も「マスコミの王様」ではいられなくなった。誰もがSNSで発信できる時代に、テレビの果たすべき役割も変わりつつある。リポーターとしての四半世紀を大村が振り返る。 「かつて、僕たちの先輩が活躍していた時代には“人の不幸は蜜の味”という考えが少なからずあったように思います。でも、令和の時代にその考え方は通用しない。かつてのコテコテのワイドショーリポーターのやり方はもう通用しない。僕のようなタイプのリポーターはもう難しいのかもしれないですね。どうしても、正義を振りかざしているように見えてしまうから……」  最後に一つだけ質問をする。「生まれ変わっても、リポーターという仕事を選びますか?」と。大村は躊躇なく答える。 「時代によりますね。少なくとも令和の時代であれば、僕の性格ではリポーターをやるのは難しいと思います。間違いなく、今の時代は僕のようなリポーターは求められていないですから……」

芸能デスクとしての新たな人生

 そして、大村は自らのこれまでを、次のように総括した。 「これからゼロからスタートします。それと同時にリポーターとしての目線を忘れず、現場の声が伝わるように心がけていきます。フジテレビの番組に出ていただく方には気持ちよくカメラの前に立っていただけるようにお膳立てするのは自分にあっていると思います」  大村正樹――、本人曰く「54の手習い」は始まったばかりだ。リポーターとしてのこれまでの人生、芸能デスクとしての新たな人生。常に前を向いて、これからも波乱万丈の人生を歩んでいく――。 取材・文/長谷川晶一(ノンフィクションライター)撮影/渡辺秀之
1970年、東京都生まれ。出版社勤務を経てノンフィクションライターに。著書に『詰むや、詰まざるや〜森・西武vs野村・ヤクルトの2年間』(インプレス)、『中野ブロードウェイ物語』(亜紀書房)など多数
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