更新日:2021年05月19日 20:18
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コロナ禍で再燃する「車中泊」の天国と地獄。「ヤンキーに取り囲まれたことも…」

新参者たちによるモラル崩壊が深刻化

車中泊

道の駅では外出を控えるよう要請する自治体の車両が

 また緊急事態宣言中、県をまたいでの移動はモラル違反であるという批判もある。 「ゴールデンウイーク中に車中泊を楽しむ人が急増したようですが、私は逆に予定していた山形への旅を断念しました。地元の人の気持ちも考えるべき」(ndtk氏)  さらに道の駅のトイレで洗濯をする、焚き火をする、夜中にエンジンかけっぱなしなどマナー違反も目立ち始め、宿泊や仮眠禁止になってしまった場所もあるのだとか。 「停車時はエンジンはかけない、ゴミは持ち帰る、大騒ぎしないなど、他の方に迷惑がかからないよう配慮した上で車中泊にトライしてもらいたい」(らんたいむ氏)

明暗がくっきりと分かれる車中泊

 一方で、貧困などによりやむなく車上生活となる人々も増加している。  高橋宏輝さん(仮名・42歳)もアルコール依存症と度重なるカードローン、離婚による養育費などで家賃を払えなくなり車上生活に。勤務先の最寄りの道の駅に駐車しているが、「職場にバレたらどうなるかわからない」という。フラットシートは搭載されておらず、座席を倒して寝るため疲れは取れない。 「これから暑くなるし、ますます不安ですね。道の駅で車中泊禁止の場所が増えているのも心配」  アルコール依存症の治療は継続しているが、断酒はできていない。  車上生活のおかげで飲酒量が半分に減ったというが……。 「勤務の前は飲まない、飲酒運転をしないことだけは守っていますが、続くかどうか……」  高橋さんのようにやむを得ず車中泊をする人には明らかに負担が大きい。コロナ禍で一躍、注目を浴びる車中泊だが、その明暗はくっきりと分かれるようだ。 <取材・文/和場まさみ 撮影/根田拓也>
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