仕事

ダービーに2頭同時出走を果たして注目。DMMの一口馬主革命に迫る

コンスタントに動画をアップし愛馬の成長記録を届ける

 DMMバヌーシーは一般的なクラブで1~3万円程度必要な入会金が不要なため、入会のハードルが低く、口座開設数は2021年5月23日現在で4万7000を超える。  無料会員のまま一部コンテンツを楽しむことも可能だが、それに飽き足らない1万2000あまりのユーザーは、実際に出資して一口馬主ライフを謳歌しているそうだ。  会員のボリュームゾーンは30、40代の男性だが、所属馬の近況映像のコメントやSNSでは、女性からの反応も多く見受けられるという。 「クラブ会員へのサービスとして、とくに動画提供には力を入れています。原則として週に1回の頻度で愛馬の様子を動画で配信しており、愛馬の動いている姿を見ることで愛着がより高まると思っています。デビューする前には、愛馬の成長過程をまとめた特別動画を作ってもいるので、より感慨深くデビュー戦を見守れるのではないでしょうか」  会員向け取引ツール内とYouTubeで週1回、所属馬の近況について椎名氏が話す動画を流しているが、2020年の緊急事態宣言下は配信を週2回に増やす対応をとったそうだ。 「もともと1万口でスタートしたこともあり、牧場見学や募集馬選定ツアーなど、上限人数の兼ね合いで馬を直接見る機会はなかなか設けづらい。その代わりに動画提供に力を入れてきたことが、このコロナ禍においては救いとなっている気がします。  現在は競馬場での口取り(勝った馬と馬主との記念撮影)、馬主席招待などのサービスができないので、動画によって少しでも愛馬を身近に感じていただきたいです」

GⅠの舞台で活躍する馬を……

 現在、DMMドリームクラブに所属している馬は、現役の競走馬と、競走馬登録前の2歳馬を合わせて39頭。なかでも注目馬する馬を聞いた。 「どの馬にも同じ想いで接していますが、目立つところではやはりオープンクラス。一昨年のオークス、今年は香港のクイーンエリザベスII世カップで勝ったラヴズオンリーユーは、この秋、日本馬が勝ったことがないアメリカ競馬の祭典ブリーダーズカップの『フィリー&メアターフ』に臨む方向で調整しています。日本ダービーに出走したタイムトゥヘヴンとディープモンスターに関しても、また重賞やGIの舞台で頑張ってくれると期待しています」  計算だけでは一筋縄ではいかない競馬の世界に黒船のごとく現れたDMMバヌーシーの今後の快進撃に期待だ。次回は、椎名氏をはじめとする「中の人」について深掘りする。 取材・文/松嶋千春(清談社)
様々なメディア媒体で活躍する編集プロダクション「清談社」所属の編集・ライター。商品検証企画から潜入取材まで幅広く手がける。
1
2
3
勝SPA!
おすすめ記事