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ワクチンの職域接種に葛藤「上司からすすめられたら断れない」

 新型コロナウイルスのワクチン接種は「当初の予想を上回るペースで進んでいる」(菅総理大臣)とされ、かつては無理だろう、大風呂敷だと揶揄されていた「1日100万回の接種」という政府目標も無事に達成された。

「1日100万回の接種」の目標は達成されたが…

マスク

※写真はイメージです(以下同)

 全国紙厚労省担当記者が言う。 「当初はワクチン自体が本当に日本に来るのか、という懐疑的な意見もありましたが、やはり職域接種の実施が大きかったとみています。これがなければ100万回など絶対に不可能だった。官だけでなく民間の力も借りて達成したのです」(全国紙厚労省担当記者)  希望する人全員への接種を目的に始められた「職域接種」は、自治体や医療機関の負担を少しでも減らし、職場や学校内でワクチンの接種を行う、というもの。すでに慶應大などの有名私大、大手企業でも「職域接種」は進められているが、ここで思わぬトラブルが起きているという。

「職域接種」非正規社員には案内すら届かない

 東京都内の建設会社勤務・金森卓さん(仮名・40代)が話す。 「職域接種の案内が来たので同僚と盛り上がっていたところ、部長がやってきて、まずは年長者、部長クラス以上から打つ、と言われました。希望者全員に打つが、順番は会社が決める、というのです」(金森さん、以下同)  金森さんの同期には、同居する親や家族に疾患があり、可能な限り早めのワクチン接種を希望している人もいたが、そんな事情が汲まれることはなく「偉い人から順に」接種が決まった。さらに……。 「契約社員や派遣社員には、ワクチンの案内すら届いていません。正社員の分の急なキャンセルが出て、非正規社員が急遽接種する、ということもあったらしいのですが、まだ接種していない正社員から不満の声が続出しているんです」  ワクチン接種を巡っても、パワハラや立場に起因する“分断”が起きているようだ。また、職域接種という、半ば「画一的」な制度により、本当はワクチンを打ちたくない、という人々が気まずい思いをしている例も。
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上司からすすめられたら断れない
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