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東大→東大院→研究職に就くも“月収20万円以下”43歳男性の苦悩「大学入学当初は、氷河期世代の中で自分は勝ち抜いたんだと…」

現在41~54歳の氷河期世代はまさに“受難の世代”だ。就職難から始まり、なんとか会社に潜り込めても、リストラに怯え、退職後は年金までむしり取られるのは必至。時代に翻弄され続ける彼らの実情に迫った!

現役で東京大学に合格するも…

[氷河期貧困]の実態氷河期世代の試練は社会人になる前から始まっている。1992年、大学受験者数は121万人と史上最多を記録。その後、ゆるやかに下がるも、毎年受験者数70万人超を維持する熾烈な学歴競争社会でもあった。 そして優秀な氷河期世代が直面したのがポスドク問題、大学の研究職や教員の非正規増加や低賃金問題だ。 「3人に1人は浪人していた時代ですよね。大学入学当初は、そのなかで自分は勝ち抜いたんだという誇らしい気持ちもありました」

想像もしていなかった厳しい生活

そう語るのは中嶋春樹さん(仮名・43歳)。日本最高峰・東京大学に現役で合格し、卒業後は大学院に進学。念願の研究職に就くも――。 「給与は月20万円弱で副業は一切禁止。正直、研究職の生活がここまで厳しいものだとは思っていませんでした。周りを見渡すとうまくいっている人間は実家が裕福な人ばかり。地方出身で一般家庭の自分では研究費の捻出どころか生活の維持すら難しかった」 有期契約だった研究職は2年間で終了。その後は3年ほどライター業で食いつなぎ、研究職への道を模索していた。
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