仕事

ワクチンの職域接種に葛藤「上司からすすめられたら断れない」

上司からすすめられたら断れない

上司「職域接種が始まりましたが、副反応が怖く、もう少し様子見しようと思っていると、偶然にも空きが出たようで『良かったら打つ?』と上司から言われました。  上司は善意でしょうが、そう言われると断れない。断ったら、あいつは反ワクチン派だと見なされるでしょうし、そんな印象を抱かれると出世にも影響する気がして。仕方なく打ちました」  こう話すのは、都内の大手メディア勤務・中里章奈さん(仮名・20代)。誰もがワクチンを打ちたい、というわけではないことはすでに周知されているはずなのだが、ワクチンが打てるから嬉しいだろう、などという上司のお節介に苦労している同僚も多いという。  そしてさらに、職域接種を実施中の社内には、やはり多かれ少なかれ「絶対にワクチンを打たない」という人が一定数いて、彼らは「腫れ物」扱いなんだとか。

「個人の自由のはずなのに……」

 しかし、職域接種で広く使われているという「モデルナ社製ワクチン」の需要が高まり、職域接種の新規受付の停止などが相次ぐと、中里さんの会社内にいた反ワクチン派、そして中里さんのような「様子見派」たちの心情も変わったという。 「打てなくなる、と聞くとやっぱり打ちたくなっちゃいますよね。私も予約をしたいと話していると、ワクチン反対派の社員から白い目で見られたりして。打つも打たないも個人の自由のはずなのに、ここまで嫌な思いをしなければいけないなんて」(中里さん)  職域接種が想定以上に進んだことで、政府や関係者が考えていた以上にワクチンの需要が膨れあがっている状態だが、いつ安定的な供給が再開されるかは今の所は不明。ワクチンが届くかも、いや届かない……といった日々のニュースに翻弄される人々は、今後もしばらく減ることはないだろう。 <取材・文/森原ドンタコス>
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