更新日:2021年07月06日 21:45
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男性更年期障害の“意外なサイン”。趣味に成果を求める人はキケン

―[男性更年期障害]―

大物芸能人も苦しむ「男性更年期障害」

タレントのヒロミ氏や俳優の清水宏次朗氏も苦しんだといわれる「男性更年期障害」。以前とは違い、本調子を出せないと感じている諸兄も、他人事ではない可能性がある。2001年に、全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を開設した医学博士であり内科・循環器・性機能専門医である石蔵文信氏に話を聞いた(以下、「」内のコメントはすべて石蔵医師)。 男性更年期障害 石蔵医師が運営する男性更年期外来での初診時の平均年齢は51.8歳で、受診年齢層が27歳~83歳。ということは、30代~40代の働き盛りの男性も含まれている。まずは石蔵氏が提唱する、男性更年期障害の典型的な症状をセルフチェックしていただきたい。 1.眠りにくく途中で目が覚める。朝早く目覚める。不眠を酒でごまかしている 2.食事がおいしいと感じられなくなり胃がいつも重く、下痢や便秘を繰り返す 3.最近イライラすることが増えて、対人関係でのトラブルが増えた 4.将来を悲観的に考えてしまうなど、なにか不安で落ち着かない 5.以前より根気がない、集中力が途切れやすくなったと感じている。精神状態が落ち込んでいて、やる気が出ないことが増えた 6.頭痛、耳鳴り、めまい・ふらつき、肩こりや腰痛、動悸や胸痛、咳などに悩まされていて、病院に行っても原因が解明できずにいる 7.慢性的に体のだるさや疲労感を感じている 8.突然、異常に汗をかく。口が異常に渇く 9.精力の衰えを感じ、ED気味である 「これらの症状が重篤な病気のサインである可能性も否めませんが」と前置きし、石蔵医師が話を続ける。「私の病院に来院される患者さんは、訴える症状がひとつだけという人はいません。多くの場合、5種類以上の症状を抱えています」

自覚症状が明確なのに検査で見つからない

 さらに男性更年期障害には、厄介な症状がつきまとう。 「男性更年期障害は、本人にはこれらの明確な自覚症状があるものの、病院で検査を受けても原因となる病気が見つからない『不定愁訴』であることが特徴です。EDを除けば、女性の更年期障害と症状はほぼ共通しています。医療機関で血液や脳、心臓、胃腸などの検査をしたけれど『病変がない』と診断され、納得のいく診療や治療を受けられず、病院を何カ所も受診する『ドクター・ショッピング』をする人も少なくありません。重症化する前に、最も大きな2つのサインを見逃さないでいただきたいです」  具体的な2つのサインとは? 「1.睡眠と、2.食事です。 1.は「睡眠障害」と呼ばれる症状です。症状によって、寝つくのに30分以上かかる『入眠障害』、深夜や早朝に目が覚めて眠れない『中途覚醒』、『早朝覚醒』、熟睡ができずに朝まで半ば起きているような状態の『熟睡障害』に分類されます。患者さんはこのいずれか、あるいは複数の症状を訴えます。睡眠の質が落ち、トータルの睡眠時間が不足しているため、ほかのさまざま症状も引き起こしてしまっていることもあります。  食事がおいしく感じられなくなったというのも、男性更年期障害の兆候である重要なサインです。患者さんが訴える代表的な例が『食事をしても砂を噛んでいるような感覚しか得られない』『今まで好物だったものがおいしく思えなくなった』などです。食事がおいしくないと必然的に食事量が減り、体重も減少します。食事は命の源。必要量を摂取しないと、ほかの諸症状を誘発する原因になってしまいます。どちらも加齢のせいにして放置しがちなので、40代になったら体の声に注意深く耳を傾けましょう」
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趣味に“成果を求める”人は危険?
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うちの・さくら。フリーインタビュアー、ライター。2004年からフリーライターとして活動開始。これまでのインタビュー人数は3800人以上(対象年齢は12歳から80歳)。俳優、ミュージシャン、芸人など第一線で活躍する著名人やビジネス、医療、経済や一般人まで幅広く取材・執筆。趣味はドラマと映画鑑賞、読書

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