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男性ホルモンの正体とは。うつや不安感を訴える人は数値が激減

―[男性更年期障害]―

男性ホルモンの正体とは?

 ここ数年で、女性だけではなく男性にもあると知られるようになった「更年期障害」。一般的に男性更年期障害になるきっかけは、男性ホルモン値の低下が原因といわれている。  だが男性更年期障害治療の草分け的存在である石蔵文信医師は、「男性更年期障害の原因は男性ホルモンの分泌量低下が直接的な原因ではなく、単なる一症状。主因は精神的なストレスです」と断言する。その理由とは(以下、「」内のコメントはすべて石蔵医師)。 男性更年期障害 男性更年期障害の主因が精神的ストレスという現実を知る前に、男性ホルモンについて改めて学び直しておこう。 「男性ホルモンは『アンドロゲン』とも呼ばれていて、いくつか種類がありますが、約95%を占める代表的なものが『テストステロン』です。大胆でリスクを怖れない挑戦心や冒険心、バイタリティーにも関与が深いといわれています。また、テストステロンを含む男性ホルモンは性欲と生殖能力を高める、骨を太くして筋肉を増強する、体毛を増やす、頭髪を薄くするといった働きが明確にわかっています。テストステロンは、スポーツ選手のドーピングに用いられる、筋肉増強剤としても知られています」

うつや不安感を訴える人はホルモンが低下

 その、テストステロンを含む男性ホルモン値の分泌量減少が原因ではなく、精神的ストレスが男性更年期障害の主因となる理由とは。 「これまでの臨床経験からすると、抗うつ剤などの薬物療法とカウンセリング、認知行動療法で対応すると、80~90%の患者さんは完治もしくは改善しているからです。また、患者さんの多くは、男性更年期障害の諸症状が改善するにつれて、血中のテストステロンの数値も上がっていきます。泌尿器科で一般的に行われている不足したテストステロンを注射で補う、『ホルモン補充療法』を行っていないにもかかわらず、です。  当院では『ホルモン補充療法』は行いませんが、初診時に男性ホルモン値の検査は行います。男性更年期障害の多くは、うつや不安感を伴います。当院のデータでは、初診時に実に約70%もの人がうつや不安感を伴っています。また、『うつ病や不安障害(不安が過度に高まって生活に支障をきたす病気)などで以前に精神科で治療していた人』は、約50%にのぼります。  ストレスからうつや不安感を訴えて来院する患者さんの大半は、治療前はテストステロンの数値がかなり低いレベルに落ち込んでいます。ところが、カウンセリングを含む治療が進んで回復するにつれて、テストステロンの数値も上がってきます」
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数値が改善するまでの経過とは
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うちの・さくら。フリーインタビュアー、ライター。2004年からフリーライターとして活動開始。これまでのインタビュー人数は3800人以上(対象年齢は12歳から80歳)。俳優、ミュージシャン、芸人など第一線で活躍する著名人やビジネス、医療、経済や一般人まで幅広く取材・執筆。趣味はドラマと映画鑑賞、読書

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