40年間無職の女性“人生初の収入”が自叙伝の出版「“生きづらい”が私にとっての普通でした」
私は40年間、一度も働いたことがない。バイトなども、経験がない。面接は四度受け、四度とも落ちた――
冒頭からインパクトが大きすぎる書籍が『気がつけば40年間無職だった。もしくは潔癖ひきこもり女子の極私的生活』(古書みつけ刊)。著者の難波ふみさんの実体験に基づいた、ノンフィクション作品だ。
40年間無職? なぜ? 潔癖の度合いは? と、「?」ばかりが浮かぶが、改めてご本人に真意のほどを聞いてみた。
――いじめ、不登校に潔癖症。小学生のときには、すでに芽生えていたそうですね。
難波ふみ(以下、難波):後に精神病にかかっていることも発覚するんですけど、潔癖症の発端は、父が水虫になったからだと思います。「たかがそんなことで!?」と思われるかもしれませんけど、真剣な話です。
伝染する病気というものが、幼心に汚らしく、恐ろしく感じられ、衛生観念がややいきすぎてしまったんです。水虫を移されたくないから、父と同じバスマットは使わないようにしよう。なるべく素足でいるようにしよう。「そうしよう」が「しなくては」に、どんどん近づいていきました。
――ちなみに今も?
難波:潔癖症です。手を洗うときは手のひらから爪の中まで7分ほどかけて、完璧に清潔にします。自室に入る前に手拭き紙で引き戸の扉を開け、そのまま靴下も脱ぎます。潔癖症が、結果的に不登校といじめにつながったと思います。
――具体的なエピソードを教えてください。
難波:いつの頃からか、「ノートをとるのにも完璧な文字で書かなくては」と思い込み、書いては消しを繰り返した挙げ句、黒板を消される。そして、「完璧」も消える。一事が万事そんな調子で、少しずつ学校を休む日が増えていきました。
休みがちになると、当然のようにクラスメートに指摘されます。そして少しずつ距離を置かれ、あからさまに嫌悪の表情で悪口を言われ、馬鹿にされました。いじめの定番コースですね。
――今いじめを受けている人に向けてメッセージを送るなら。
難波:とにかく逃げて! と言いたいです。学生さんの場合は。社会人は……面接は4回受けて4回とも落ちたので、わかりません。自分だったらどうするだろう。頼れる上司を1人だけでいいので見つけて、味方になってもらう方法を選ぶと思います。
手を洗うときは爪の中まで7分かける
いじめの定番コースだった学生時代
うちの・さくら。フリーインタビュアー、ライター。2004年からフリーライターとして活動開始。これまでのインタビュー人数は3800人以上(対象年齢は12歳から80歳)。俳優、ミュージシャン、芸人など第一線で活躍する著名人やビジネス、医療、経済や一般人まで幅広く取材・執筆。趣味はドラマと映画鑑賞、読書
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『気がつけば40年間無職だった』 現代社会に〝生きづらさ〟を感じる 全ての人に捧ぐ! |
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