更新日:2021年07月26日 07:46
お金

パチンコ雑誌はYoutubeで健全化するか? パチンコ業界を変えるYoutubeの力

「業界の犬」から脱却できるか

 パチンコ業界の会社はメーカーにせよパチンコ屋にせよ広告代理店にせよ、ユーザーが負けたお金を出どころに商売をし、会社を大きくさせていった。それはメーカー・パチンコ屋から広告をもらっている攻略誌とその関係者にしても一緒である。  攻略誌はメーカーから広告をもらっている以上、メーカーに不利なことは書けない。1週間で客がいなくなる新機種であっても「あんなクソ台、誰が打つねん!!」とは言えないし、攻略法が出た機種を「あの機種の役物は止め打ちで攻略できる!!」と報じれば、下手すれば出禁(=取材不可能、新台の写真入手不可)となる。  来店イベントを行うライターはさらに直接的で、そのギャラは当然パチンコ屋から出ている……すなわちパチンコ屋で負けた客のお金が巡り巡ってライターの懐に入っている。当然、呼ばれたホールのことを「1000円12回転、設定1ばかりのクソ店」と表立って言うのは、損得勘定で考えれば大損である。  打ち手の味方の顔をしながらメーカーとパチンコ屋には何も言えないメディア・ライターをネットでは「業界の犬」と揶揄する者すらいる。しかしYouTubeではやや事情が変わってくるとヤング氏は語る。 「YouTubeという場では、その映像を見るヤツが多ければ、パチンコにまったく関係のない企業がそれに対して広告料を出す」  パチンコ客以外から収入を得るパチンコ業界人というのはこれまではほぼ存在しなかったが、ユーチューバーは広告主となりうるメーカーやパチンコ屋に忖度しない方が、人気は出て「再生数は伸びる=儲かる」のだ。もちろんYouTubeからも言論への制限はほとんどない。

Youtubeがパチンコ雑誌を健全化する!?

大崎一万発

Youtubeからの収益により、メーカーからの出稿に頼らない体勢ができれば、パチンコ雑誌も昔のようにファンに寄り添うことができる記事を書けるのでは……と、大崎一万発氏

 いわば2ch的言論がパチンコ業界のメインストリームに突如として現れた……とは言い過ぎか。これに対して大崎氏はこう持論を述べる。 「オレは健全だった攻略誌の時代に戻るんじゃないかと思う。結局、攻略誌って、業界から広告料をもらうことで終わったわけでしょ。で、我々もパチンコ屋やメーカーからお金をもらう立場だから、言いたいことがあっても全部は言えなかったりする。でもYouTubeならYouTubeからお金をもらえるから」  業界メディアが「業界の犬」から脱却する、健全性を取り戻せる可能性がYouTubeによって出てきた。  7月に発売された「新装版パチンコ滅亡論」は新章1本新規収録。大崎・ヤングの2人がYouTubeデビューした舞台裏、パチンコ崩壊論では語られなかった「最近のパチンコなんでこんな出玉が速くなってるの!?」問題などパチンコファンにとっては興味深いトピックス満載。パチンコ文化の入門書としても最適だ。 文/ベンチ猪俣
パチスロ必勝ガイドでの編集を経て現在フリーの編集及びライター業、兼スロニート。パチスロを中心にギャンブル全般が興味の対象。ツイッターアカウントは @bench_i
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新装版 パチンコ滅亡論

発売前から重版出来するなど、ファンだけでなくメーカーやホールなど、パチンコ業界に大きな衝撃を与えた『パチンコ滅亡論』を再構成し、加筆修正と新章を書き加えた一冊

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