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<純烈物語>恩人・前川清と迎えた座長公演千穐楽は笑いあり、アドリブあり、そして……<第106回>

「実は今日、そのやめたメンバー……」

 そうしたシーンの中で歌うことを、前川ほどの大御所が楽しんでいる。「純烈が大きくなっていくうちにペンライトが増えていって、その中で出させていただき皆さんが緩~いテンポで振ってくれている。ありがとうございます」  そう礼を述べると、2曲目の『そして、神戸』へ。歌い終えたところで酒井が切り出す。 「2年半前に僕らメンバー抜けて、この明治座のステージで前川さんに救っていただきました」 「救ってはいないよ。あの時は俺が儲けただけよ。千穐楽だから言うけど、その考え方はやめた方がいい。本当に助けようという気持ちは全然なかったから。また悪いことやるとお客さん増えるなと思って。だけど、いいことばかりじゃなく悪いことをきっかけに、その時に彼がやらかしたからこそ、今の純烈がある。その時だからこそたくさんカメラが集まって、それを生かしたのがこの4人ですよ」  今回の公演を迎えるにあたり、何度となく酒井がメディアに向けて口にしてきた純烈と前川と明治座の因果律。ここでも恩人は笑いに昇華する。  すると小田井が「でも前川さんご本人は憶えておられないかもしれませんけど、僕らの顔を見ると『やめていった彼は元気なの?』と、必ず聞いてくるんですよ」と“真相”を明かす。それを受けて酒井が次のひとことを言った瞬間、明治座客席の一部に黄色いライトが灯った。 「実は今日、そのやめたメンバー、この会場のどこかにいるはずです――」
(すずきけん)――’66年、東京都葛飾区亀有出身。’88年9月~’09年9月までアルバイト時代から数え21年間、ベースボール・マガジン社に在籍し『週刊プロレス』編集次長及び同誌携帯サイト『週刊プロレスmobile』編集長を務める。退社後はフリー編集ライターとしてプロレスに限らず音楽、演劇、映画などで執筆。50団体以上のプロレス中継の実況・解説をする。酒井一圭とはマッスルのテレビ中継解説を務めたことから知り合い、マッスル休止後も出演舞台のレビューを執筆。今回のマッスル再開時にもコラムを寄稿している。Twitter@yaroutxtfacebook「Kensuzukitxt」 blog「KEN筆.txt」。著書『白と黒とハッピー~純烈物語』『純烈物語 20-21』が発売
純烈物語 20-21

「濃厚接触アイドル解散の危機!?」エンタメ界を揺るがしている「コロナ禍」。20年末、3年連続3度目の紅白歌合戦出場を果たした、スーパー銭湯アイドル「純烈」はいかにコロナと戦い、それを乗り越えてきたのか。
白と黒とハッピー~純烈物語

なぜ純烈は復活できたのか?波乱万丈、結成から2度目の紅白まで。今こそ明かされる「純烈物語」。
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