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スポーツクライミング女子複合・銀、野中生萌「結果を出すって、簡単じゃない」

オリンピックのおかげでクライミングを知る人が増えた

――オリンピックでは「スピード」「リード」「ボルダリング」と3種目で戦います。誰かに競技を説明する場合、どう伝えますか? 野中:そうですね、説明するときは、「スピード」が速く登る競技、「リード」が高く登る競技と言っています(笑)。説明が難しいのが「ボルダリング」で、課題をいくつ解けるかという競技。見ている人には、なぜあそこで登れたのか、逆に登れなかったのか、わかりにくいところもありますが、単純じゃないからこその奥深さがあります。  それに、課題に挑む前のオブザベーション(ボルダリングやリードクライミングで課題を観察し、どうやって登るかを考えること)の時間では、選手たちで話し合う。お互いライバルだけど、クライミングは自分との戦いなので、選手同士でああでもない、こうでもないって話しちゃうのは、他の競技にはない面白さだと思います。

クライミングは技とメンタルが重要

――「心技体」が求められるスポーツだと思いますが、全部で100%とすると、それぞれの割合は。 野中:全部必要なので…3等分になると思います。でも、大会に際して自分の「体」のレベルを上げておくのは当然なので、当日は「技」と「メンタル(心)」が大事ですね。また、オリンピックの3種目で言うと、「心技体」はボルダリングが一番必要かもしれません。実力があっても読み解く力やそのときの判断で、結果が大きく変わってしまうので。 ――撮影の時は外岩をどんどん登っていました。両肩のケガの状態は? 野中:良くはなってきています。よく「もう治ったの?」って聞かれますが、完治はしていないです。週1〜2回、肩の強化トレーニングと病院でのリハビリを続けています。 ――肩のリハビリは大変ですか? 野中:相当……キツいです!リハビリというより、もはやトレーニング。しかも、超キツいやつ(笑)。先生が力を加えての動作を地道に何十回と繰り返すんですけど、肩の中の筋肉がすごく痛くなる。いわゆるインナーマッスルをめちゃくちゃ鍛えてます。
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じわじわ登るより瞬発的な動きが得意
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