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スポーツクライミング女子複合・銀、野中生萌「結果を出すって、簡単じゃない」

食事も徹底的に管理。好物のパンケーキが…

――パフォーマンスを上げるため、栄養士の指導を仰いで、普段から食事も気をつけているとか。 野中:血液検査をして、アレルギーを詳しく検査しました。すると、一見してわからなくても、体内では消化しにくいとか、いろんな反応がわかるので、そういう食べ物を避けてます。私は乳製品や小麦粉が良くないらしく、それが判明したときはパンケーキにハマっていたので、「キツい!」と思ったんですけど、今はまったく食べなくなりました。 ――恋しいとは思わない? 野中:大丈夫です。一時期めっちゃ食べたんで(笑)。今の自分へのご褒美はタピオカミルクティー。ミルクを豆乳にできればいいんですけど、ミルクの入っていないお茶だけのものを。それかチョコレート系のドリンクですね。 ――女性アスリートはメイクもしないのが自然体と見られがちなのに、一般の女のコたちと同じように、おしゃれも楽しんでいますね。 野中:見てる人もそのほうが楽しいだろうなって思います。以前は大会ごとに髪の色も変えてましたが、最近は落ち着いて(笑)。ファッションもこだわりはとくにないですけど、安く買ったアイテムが人に高価に見られたりすると、心の中で「よし!」ってガッツポーズします。

濃い目のメイクが自然

――スタイリストやメイクさんをつけたりしてます? 野中:全部自分でやっています。できれば撮影のときも自分でメイクしたいぐらい。私、メイクは濃いめなので、撮影では薄くされがちなんですよ(笑)。この間も、「練習のときのように自然な感じにしたい」って言われて。「練習でも大会でも、濃いのが自然なんだけどな」って思いつつも、薄く直されちゃいました。 ――東京オリンピックの青海の競技会場についてイメージは? 野中:めちゃめちゃ暑いだろうな、としか思っていないです(笑)。日本の夏に屋外で…。実際、ドーハの大会やチャイナオープンも壁が外で暑くて、ホールドを触ると「熱っ!」って叫ぶぐらい。シューズも(緩衝)マットもゴムで熱を吸収するから足元も熱い。ドーハは夜に開催したけど、気温30°C超えで、昼間の直射日光を溜めて壁はアツアツのまま。意味なかったですね。 ――東京では、いろいろと対策を講じてもらいたいですね。 野中:でも経験できたので大丈夫です。もはや最良のコンディションではできないと開き直っています。本番はそういうメンタルも大事になってくるでしょうから。 【Miho Nonaka】 ’97年、東京都生まれ。9歳でクライミングを始めると、16歳で日本代表入りし、ワールドカップに出場。’16年に18歳でボルダリングのW杯インド大会とドイツ大会で優勝。同年に年間ランキング2位、’18年は1位。現在、東京五輪代表の有力候補になっている 取材・文/松山ようこ 撮影/渡辺秀之(インタビュー写真)
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