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歌舞伎町で起こった「連続自殺事件」。背景には“数字”に依存する若者たちの姿が

15歳から歌舞伎町に通い続け、ティーンの生態を追う現役女子大生ライターの佐々木チワワ。自傷行為すら「エモい」と話す若者たちは、ついに自殺の瞬間を配信するものも……。いま、路上に増えつつある“病みカルチャー”の深層に迫る!

「#数時間後に死ぬカップル」と若者たちが自殺配信を行う理由

ぴえん

佐々木チワワ氏

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、’20年の自殺者数は11年ぶりに増加。女性や若年層の増加が目立ったが……実は新宿区・歌舞伎町を舞台に’18年に“自殺ブーム”、いや、自殺がファッション化すらしたことをご存じだろうか。  発端は’18年10月2日、ホスト通いに狂った通称「ホス狂」の女性が飛び降りた事件だ。たまたま下を歩いていた歩行者の男性を巻き込み、ニュースとして大々的に報じられた。そこから自殺の連鎖ともいうべきか、同年10月から約1か月間、歌舞伎町のビルから未遂を含めれば少なくとも女性の飛び降りが8件あったとされる。  ある女性は飛び降りる直前にSNSに屋上にいる写真を投稿し拡散されたことで、近年の“歌舞伎町のホストビル=自殺の名所”というイメージが広まっていく。

歌舞伎町のホテルから飛び降り心中した14歳と18歳

 最近では「これから死にま~す!」とビルの屋上で裸足になり、酩酊状態でネット配信する女性もいた。ネットの顔も知らない誰かからの「死なないで!」「生きて!」というコメントを受け取って自殺を踏みとどまるコもいれば、本当にそのままビルの上から落ちて、数か月後に「入院していました」「死ぬのに失敗しちゃいました~」と明るく投稿するコもいる。  そして今年の5月には、歌舞伎町のAPAホテルから飛び降り心中した14歳と18歳のカップルは、「#数時間後に死ぬカップル」としてTikTokに動画を投稿。この2人は歌舞伎町でいま話題の「トー横」で知り合い、交際をSNSで宣言してから数時間後、ともに薬物の過剰摂取から2人で飛び降りた事件だった。  前回、ぴえん系女子がリストカットやオーバードーズなどの自傷行為がファッションとして消費されていると書いたが、不器用で乱雑な生きざまも受け入れてくれる歌舞伎町という街は、死にざますらも受け入れてくれる街なのかもしれない。非現実な街で死ねば、死にざまだけでも「エモい」ものとして最後に消費してもらえるからだ。
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歌舞伎町の若者たちは“数字”に依存していく
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