お金

バイナリーオプションで50万円が3日で消えた。自動売買ソフトの養分になった男

職質は頻発「クスリやってます?」

 しかし、3日目から状況は一転。50万円以上のマイナスを食らい、前日までの儲けだけでなく元金まで吐き出してしまったという。その後も負けばかりで、気づけば2週間で90万円を溶かしてしまった。  もっとも、この程度のマイナスならば、竹内氏の貯蓄額から言えば致命傷ではなかった。それでも撤退を決意させた理由は、周囲の見る目が変わったからだ。 「いつも運んでいる女のコが、『クスリやってます?』と疑ってきたり、待機中に職質をかけられる頻度が異常に増えたりしましたね。というのも、取引の状況は、随時スマホで確認できるんですよ。だから15万円勝ったほんの30分後に10万円が消えていくのがリアルタイムで見られるんです。この上げ下げの波が、1日に10回以上来るんだから、もう精神が耐えられなくなってました」  送りのときは上機嫌だったのに、迎えのときは別人のように青ざめてびっしょりを変な汗をかいているのだから、デリヘル嬢が怖がるのも当然だろう。

ツール開発者の後輩は今やタワマン住まい

 一方、竹内氏の苦悶をよそに、ツール開発者はアプリ販売でひと山当てて、現在は東京のタワマンで優雅な日々を送っているという。 「たまに高層階の部屋から撮った夜景が送られてくるのは嫌味に感じますが、たまに地元に帰ってきたときはメシに連れてってやってるし、いまも仲はいいですよ。なんだかんだ俺のことを慕ってくれている後輩なので、例のツールのせいで病んだことは、かっこ悪くて言ってません。ただ、新しいアプリを開発するたびに、試しにどうですかと誘われますけど、全部断っていますね」  いいきっかけさえあればまた新しいことに挑戦したいという竹内さんは、今日も地道に女のコを送り届けている。 取材・文/長谷川美季(清談社)
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