仕事

基本給7万円の医療系からインフラ系へ転職。キツイ現場仕事でも「幸せ」なワケ

今は資格取得にチャレンジ中

資格入れのポーチ

孝史さんが愛用する資格入れのポーチ。「このポーチがいっぱいになるくらい資格を取りたい」と意気込む

「心が健康になり、人並みの生活が送れるようになった」と喜ぶ孝史さん。もともと筋肉が付きにくい体質だったが、この半年でかなり鍛えられたそうだ。鍼灸師の時は考えられなかった将来のビジョンも、細かく描けるようになったという。 「肉体労働なので、体にガタがくるのも早いと思っています。現場には60~70歳の人もいるけど、40歳を超えている先輩たちは『管理する側にまわる』って言っている人がほとんど。このままずっと現場でとなると、年収700万になるのは50歳の時。そこまで体がもたないでしょう。なので、この仕事は3年くらい続けて、その後は設備保全(ビルや商業施設のメンテナンス)に移ろうと考えています」  目下の目標は、設備保全に必要な資格の取得だ。既に「高所作業車運転者」や「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者」など多数の資格を取得している。

資格があればあるほど給料が上がる

「現場と違って、設備保全は資格があればあるほど給料が上がる世界です。いつか来る日のために頑張っています。肉体労働はきついですが、鍼灸の資格を持っているからこそセルフメンテナンスしながら働けています。最終目標は職業訓練校の講師です。自分が通っていたところの講師がすごく良い人で、自分も先生になろう! って影響を受けました。講師になるためにも、実務経験を積んで資格をいっぱい取ろうと計画しています」  今は趣味になってしまった鍼灸も、老後に再び活用させようと考えているそうだ。 「講師を引退して70歳くらいになったら、自分で鍼灸院をやりながら出張で電気工事をやりたいです。こういった夢を持てるようになったのも、転職したおかげですね」  そう語る彼の顔は、将来への希望に満ちあふれていた。環境を変える一歩を踏み出したら、見える世界も違ってくるかもしれない。 <取材・文/倉本菜生>
福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X(旧Twitter):@0ElectricSheep0、Instagram:@0ElectricSheep0
1
2
3
おすすめ記事
ハッシュタグ