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飲食店から独立失敗、アルバイトとして出戻りしたら「ストレス3倍」

 コロナ禍で多くの企業の体制が大きく変化するなか、「コロナ転職」という言葉が注目を集めている。なかには、この機会に「独立」なんて青写真を描いている人もいるかもしれない。実際に転職や独立した人たちの「その後」はどうなったのか。  今回は、二人のケースを紹介したい。結局、考えることは皆同じ。よりシビアとも言える。

飲食店を辞めて、副業のネットショップで独立するが…

レジ

※写真はイメージです(以下同)

 野中治さん(仮名・20代)は、転職ではなく独立の道を選んだ。もともとは飲食店に勤務しながら、副業としてECサイト(ネットショップ)でアパレル販売を行っていた。 「飲食店ではゼネラルマネージャー(GM)として働き、年収500万円程度もらっていました。コロナ禍より前は昇進の話もいただいており、これから次のステップに踏み出すところだったのですが……」  しかし、新型コロナの感染拡大とともに野中さんの昇進は取り消されたという。 「はじめに給料の調整が入りました。続いては、俗に言う『クビ』です。正社員の中で、役職が低い人から切られていきました。自分の生活は大事ですが、コロナ禍になって約半年、この状況に耐え切れず、退職を決意しました」  ずっと飲食店のことばかり考えて生活してきたので、「ようやく肩の荷がおりた」という。独立してから数か月間は楽しかったそうだが……。

ECサイトの競争は激化「生活が成り立たない」

「まずは、自分で運営していたECサイトに力を入れていました。最初のうちは売り上げが伸びていき、独立が成功したと思って気を緩めていました。ただ、ライバルが増えてくると、売り上げはみるみるうちに落ちていきました」  実店舗を構えないECサイトでの販売は、最初こそ順調だった。しかし、これまでは本格的に力を入れていなかったアパレルメーカーはもちろん、野中さんのような人たちがコロナ禍でインターネットの世界に活路を見出そうと、続々と参入してきた。次第に競争は激化。  このままの状態では、生活が成り立たないと思い、野中さんは試行錯誤を繰り返した。だが、売り上げは戻らなかった。新しいことを始めようにも資金が足りず、足踏み状態となった。  そこで、野中さんが考えたことは「飲食店に戻ろう」だった。
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アルバイトとして飲食業界に出戻り
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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