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将棋の藤井聡太、超早指し棋戦でもブレない“規格外の終盤力”

トップ棋士のみが参加する早指し棋戦

藤井聡太三冠(左)と永瀬拓矢王座(右)

 将棋の公式戦タイトルホルダー(竜王/名人/王位/王座/棋王/叡王/王将/棋聖)と賞金ランキング上位者を合わせたトップ棋士12名が出場できる「将棋日本シリーズJTプロ公式戦(以下、JTプロ公式戦)」。  今期のJTプロ公式戦では、シード権のあるタイトルホルダー、豊島将之JT杯覇者(竜王)、渡辺明名人(名人・棋王・王将)、藤井聡太三冠(王位・叡王・棋聖)、永瀬拓矢王座(王座)という、現代棋界の“ビッグ4”が揃って準決勝に進出。準決勝第1局では、豊島将之JT杯覇者が渡辺明名人との215手という大激戦を制し、すでに決勝進出を決めている。  そして準決勝第2局の東海大会。藤井聡太三冠と永瀬拓矢王座の対局が、11月3日、藤井三冠の地元・愛知県のポートメッセなごやにて開催された(以下、一部敬称略)。対局時の藤井の今年度成績は36勝7敗(勝率8割3分7厘)、永瀬の今年度成績は19勝12敗(勝率6割1分3厘)。対局前の両者のコメントは以下のとおり。

研究仲間であり、ライバルでもある

藤井聡太三冠

 藤井聡太三冠「永瀬王座には『炎の七番勝負』の後に研究会に誘っていただきました。その努力する姿勢は見習いたいと思って います。今回東海大会が開催されて大変うれしいです。地元の将棋ファンの方にも見ていただけますから、熱戦を楽しんでもらえるよう頑張りたいと思います」  永瀬拓矢王座「『JTプロ公式戦』で藤井三冠と対戦できることをうれしく思います。彼からは『将棋を強くなりたい』という純粋な気持ちが伝わってきます。今回初めての公開対局ですので、手探りになりますが集中してベストを尽くしたいと思います」  実際にVS(ブイエス:1対1で行う研究会)など、研究会仲間でもある両者。対局前、解説の中村修九段が「ビッグ4でタイトル戦が争われることも増えましたが、ビッグ4だけがより一層強くなっている印象も受けます。彼らだけで最先端の研究会をしているようなものですから」と語っていたが、強者同士で切磋琢磨していることで、緻密な現代将棋が作り上げられていることを改めて感じた。
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永瀬の仕掛けに“最強の手”で応じる藤井
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