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カブス今永昇太が開幕戦で大谷翔平と対決。今永が越えるべき「2年目の壁」と日本人投手の“不吉なデータ”

 メジャーリーグはすでにオープン戦がスタート。レギュラーシーズンに向けて、それぞれの球団で開幕ロースター争いやポジション争いが繰り広げられている。  野球ファンならご存じの通り、今季のメジャーリーグは東京ドームでレギュラーシーズンの号砲が鳴らされる。3月18~19日(日本時間、以下同)に、他の28球団に先んじて行われるのがドジャースとカブスの2連戦だ。  ドジャースには、大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希という3人の日本人選手が在籍。カブスも鈴木誠也と今永昇太の2人がいる。アメリカ本土から遠く離れた東京の地でいきなり日本人5選手による豪華競演が見られるというわけだ。

カブスの開幕投手は今永昇太と発表

今永昇太

Chicago Cubs 公式Xアカウントより引用

 カブスは開幕戦を1か月後に控えた今月18日に、開幕戦の先発投手を早くも発表した。チームが同日、公式Xにポストしたのは、「今永昇太 開幕戦先発投手」と記された今永の画像。メジャー2年目の左腕が栄えある開幕投手に選ばれたのだ。  今永が大事な初戦を託されたのは、開催地が日本だからという理由だけではない。メジャー1年目の昨季は、開幕からエンジン全開で無双のパフォーマンスを披露。5月上旬まで無傷の5連勝を飾り、同月下旬まで防御率0点台を維持した。  その後は何度か打ち込まれる試合もあったが、終わってみれば、29試合に投げて15勝3敗、防御率2.91という圧巻の成績。サイヤング賞を決める投票でナ・リーグ5位に食い込んでみせた。  もちろん昨季に挙げた15勝はチームトップの数字で、投手陣を引っ張る立場として2年目のシーズンを迎える。強打者がそろうドジャース打線を沈黙させ、幸先いいスタートを切りたいところだろう。  そのためにも、昨季5打数無安打の大谷を再び完璧に封じ込める必要がある。

日本時代の成績から見る「今永の不安要素」

 1年目に大成功を収めた今永だけに、今季も昨季と同等かそれ以上の投球を期待したくなるが、少なからず不安もある。昨季の活躍を受けて、ライバル球団はこのオフに様々な角度から今永の投球を分析しているはず。  当然、今永もカブスもデータ面で丸裸にされることは想定しているだろう。それに対して効果的な策を講じられるかどうかが、今永がさらに躍進するための大きなカギとなってきそうだ。  そしてもう一つの不安要素が今永自身にある。DeNA時代に3度(2017、19、22年)、二桁勝利を挙げているが、いずれも翌年に成績を落とす傾向があった。  18年は前年11勝から4勝に、20年は前年13勝から5勝に、そして23年は前年11勝から7勝と、決まって勝利数を減らしていた。  なかでも19年はDeNA時代の自己ベストとなる13勝を挙げたものの、コロナ禍で短縮シーズンとなった翌20年は、故障にも苦しみ、登板数も9試合に留まっている。  つまり、今永はプロ入り後、一度も2年連続二桁勝利を達成していないということになる。昨季はDeNA時代を含めて自己ベストと呼べる成績を残したとはいえ、昨季のようなペースで白星を挙げるのは至難の業だろう。むしろ今永の傾向からすれば、成績を大きく落としてもおかしくない。
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「15勝以上挙げた日本人投手」の翌年の成績は…
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1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

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