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「ガシャポン」SNS“映え”で人気再燃、新しいバリエーションが続々

ニーズの多様化に伴って1000円以上もする高級カプセルトイも登場

 また近年は、100円のものから1000円以上もする高級なものまで、実に幅広い価格帯のカプセルトイが発売されている。  こうした背景には、消費者の期待値が上がってきていることや、ニーズの多様化に伴う影響が多分にあると渡辺さんは言う。 「お客様の幅が広がり、メーカーとして様々なお客様の期待や要望を超えた商品を目指していく中で、サイズやギミックなどの仕様も豊富となり、その中のひとつとして、従来より高価格なカプセルトイが誕生しています」

だんごむしを再現した「リアルフィギュア」がSNSで大反響

いきもの大図鑑

2018年8月に発売した「だんごむし」のリアルフィギュアがヒットしたのを機に、現在では「いきもの大図鑑」と銘打ち、さまざまな生き物の商品を展開している

 そんななか、最近の流行りの一つとして顕著なのが、個人のSNSなどでの発信に用いる「映え」ニーズだという。 「『推し活』や『エモさ』、『可愛らしさ』などのニーズが顕在化しています。SNSの発信ネタとしてカプセルトイを購入するケースが増えていますね。推し活で言えば、話題のアニメキャラクターなどを可愛くフィギュア化したものなどが代表的で、他にも可愛いらしいものだと動物系をモチーフにした商品の人気が高いですね。  バンダイでは、ハイクオリティなリアルフィギュアを出していて、とりわけ2018年8月から発売しているだんごむしを再現したカプセルトイは、SNSで大きな反響につながり、想像以上の販売数を誇る商品になりました」 「だんごむし」がヒットしたことで、「いきもの大図鑑」と銘打ったシリーズを展開し、現在では累計580万匹を突破するほどの勢いを見せているそうだ。  昆虫や動物のリアルな生態をカプセル形状の制約の中でフィギュア化するという、ユニークな試みを行ったことで、新たな需要を掘り起こした好例と言えるだろう。  また、他企業とのコラボ商品も展開を行なっているそうだ。
カプセルトイ

他企業とのコラボ商品で展開したカプセルトイ

「ご家庭でお馴染みの給湯器シリーズや街で目にするAED、昔懐かしい携帯電話など、今や昔の身の回りのものをそれぞれの企業様とコラボさせていただき、ミニチュアで表現した商品などが、親しみを感じてもらいやすく非常にご好評いただいております」
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今後はリアルとデジタルを融合させた体験も
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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