「ガシャポン」SNS“映え”で人気再燃、新しいバリエーションが続々
昔、駄菓子屋の軒先などに置かれていた「ガチャガチャ」は、10円〜20円で楽しめる子供向けの玩具として人気を博していた。
それが現在では、多種多様なカプセルトイが登場し、大人買いするコレクターも見られるようになった。そんななか、国内のカプセルトイ市場を牽引してきたのがバンダイである。全国にカプセル自販機を約45万台ほど有しており、同市場で約6割のシェアを誇るリーディングカンパニーだ。
日本では1965年ごろから、カプセルトイの自販機が設置されるようになった。当時はデパートの屋上や駄菓子屋などの軒先などに設置され、いわば子供のおもちゃとして認知されていたわけだ。
しかし近年、街中を歩いていると、至るところでカプセルトイの自販機を目にするようになったと言える。
量販店や家電店、駅構内などさまざまなロケーションに設置されるようになった背景について、渡辺さんは「元々フレキシブルに設置可能な自販機であるため、例えば急な空きテナントなどにも対応できるといったようなことから自販機設置の裾野は広がっている」と話す。
「駄菓子屋の軒先がカプセルトイの自販機における原点と言えるわけですが、最近では大手量販店や総合スーパー(GMS)のほか、ファッションビルにも展開しています。
また、テナントビルを借りてカプセルトイの自販機専門の店舗を構えたりと、多面的な展開がどんどん広がってきていますね。ロケーションが変化してきている理由のひとつとしては、カプセルトイを楽しむお客様の幅が広がったことだと思います。加えて、昔に比べて格段に商品のラインナップが増えたのも要因に挙げられます」
バンダイのガシャポンは来年には45周年を迎える、まさにカプセルトイ市場を創ってきた企業だ。
当初から、本格的なキャラクターIPを利用したカプセルトイを展開しており、カプセルを開けるまでのワクワクやドキドキといった体験を追求してきた。
現在では400億円規模にまで成長した同市場だが、なぜカプセルトイは人々を魅了し続けるのだろうか。渡辺さんは「どの世代でも、カプセルトイは普遍的な楽しみを味わえるのが最大の特徴」とし、次のように説明する。
「自販機にお金を入れ、回転式のレバーを回す独特の体験と、『何が出てくるのか』というドキドキ感を生むエンタメ性こそ、カプセルトイの魅力です。
何が出てくるかわからないワクワク感や、欲しい商品が出た時の高揚感、さらにはコレクター欲を掻き立てる要素などが相まって、どの世代にも受け入れられるようになったと考えています」
今回は株式会社バンダイでベンダー事業部、デピュティゼネラルマネージャーの渡辺寿一さんに、カプセルトイにおけるトレンドの変遷や子供のみならず、大人までも熱狂するようになった所以について話を聞いた。
駄菓子屋の軒先から店舗へ…街中で「カプセルトイ」自販機急増の理由
世代を超えて愛されるのは独特の「エンタメ性」があるから
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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