更新日:2021年12月23日 19:41
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被害総額9億円超。コロナ禍で医療従事者たちを食い物にした“魔性の女”の素顔

一介の事務員が主導した巨額横領事件

逃亡生活の末、逮捕された飯島聡介被告。クリニックの診療報酬を自身が管理する口座に振り込むなどして、多額の現金を詐取した疑いが持たれている

 憔悴しきった様子で菊池氏が語る。 「クリニックの銀行口座の管理は事務方トップの飯島に一任されていた。我々の調査では、ここ3年間ほどで、国民健康保険連合会から入金されたはずの診療報酬の何割かが飯島個人の口座に流れていたことが判明しています」  こう聞くと、飯島容疑者が事件を首謀したように思える。ところが、菊池氏や他のクリニック関係者の見方は違う。 「実際に入出金の操作をしていたのは飯島ですが、真の首謀者は一介の事務員に過ぎなかった矢嶋真澄で間違いない。2人は恋仲にあり、矢嶋にそそのかされる形で飯島は不正経理に手を染めていった」  表向きは上司と部下という関係にあった二人。だが、裏ではただならぬ関係にあったという。飯島の元同僚の男性看護師の1人はこう証言する。 「矢嶋には夫が、飯島には妻と子ども3人がいましたが、二人が不倫関係にあったことは公然の秘密でした。矢嶋からのアプローチで飯島がメロメロになり、性的に堕落していく様はクリニック内の一部では噂にっていましたから。でも、だからってまさか詐欺とか横領事件を起こすとまでは……思いもよりませんでしたが」  飯島と矢嶋の“ただならぬ関係”とはどんなものだったのか。それは常軌を逸した、あまりにも異常なものだった。

SMプレーで洗脳、調教していく仰天手口

 昨年末、コロナの第3波が日本中を覆い尽くしていた頃。  訪問医療専門クリニックの現場はまさに修羅場と化し、職員たちは疲弊し切っていた。そんな現場で陣頭指揮をとっていたのが当時の事務局長である飯島だった。 「事務所には患者様からの依頼が殺到。派遣できる医師や看護師の人数にも限界があり、まさに綱渡りのような状態でした。そんな中、飯島は気にいらない職員やドクターに冷たく当たり、平気で首を切ったりしていました。そして一番忙しい夜22時を過ぎると、突然携帯電話も繋がらなくなることが頻発に起きるようになったんです」  クリニック関係者がウイルスの恐怖と戦いながら、必死に訪問診療を続けている、まさにそんなときーー飯島は都内のラブホテルを訪れ、部下である矢嶋真澄と異様な性戯に没頭していたのだ。  その動かぬ証拠を見せられ、驚いた。全裸で大きく股を開いた男が紐で椅子にくくりつけられている。横には女がいて、男に罵詈雑言を飛ばしている。  死んだ魚のような目をした男は「やめて、映さないで~。やめて、映さないで~」と機械的に、延々と呟き続けている。男はもちろん飯島、横にいる女は矢嶋だった。  いったい、このおぞましい動画は何なのか。 「矢嶋はもともとSM愛好家で、僕も結婚中はずいぶんといたぶられました。飯島も彼女と不倫を続けているうちに調教され、肉体的にも精神的にも完全に彼女の支配下に置かれてしまったんでしょうね。診療報酬の詐取にしても、裏で操っていたのは彼女のほうだと思います」  こう語るのは、前出の矢嶋の元夫の男性である。矢嶋はSMだけでなく、スワッピング愛好者でもあり、実際、矢嶋と飯島がとあるスワッピングパーティーにたびたび参加していたという証言も得られた。 「麻布界隈で有名なラブホテルの関係者とも不倫しており、相当仕込まれたのでしょう。彼が主催する常人にはおよそ想像しがたいパーティにも出席し、性の探求に没頭していった。自分1人でやるぶんには個人の自由ですが、配偶者がいる立場でも矢嶋真澄はこうしたふるまいをする。彼女自身、前の夫との間に息子がいますが、さっさと切り捨ててしまった。飯島に3人の子供がいても浮気や横領に手を染めさせることに胸が傷まないのは、なにかが欠落しているとしか思えません。  実は一度、彼女の浮気癖に困り果て、占い師に相談したところ、こんなことを言われました。『朝顔のツルに似た人だ。隣に良い枝があればすぐそっちに巻き付いていく性質があります』。本当、その通りだと思いました」
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私文書を偽造し、離婚届を勝手に提出
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